2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510612
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
氏平 明 茨城大学, 留学生センター, 教授 (10334012)
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Keywords | 発話の非流暢性 / 韓国語母語の吃音者と健常者 / 非流暢性の背景の自然発話 / 病的音声 / 言語資料の書き起こし / 書き起こしのチェック / 繰り返しの単位 / 繰り返し部分の環境 |
Research Abstract |
初年度の研究は,韓国語母語話者における韓国語の発話の非流暢性,語句内に語の要素の繰り返しが現れる非流暢性,の言語資料とその背景の発話資料収集ならびに資料の書き起こしである.その一つは韓国に赴いて吃音者の非流暢性の言語資料を採取すること,もう一つは国内で健常者の非流暢性の言語資料を採取することである.まず研究協力者の助力を得て韓国の吃音者のセルフヘルプグループと接触し,そのグループからの全面的な協力を得た.そして韓国のソウルで開かれている吃音者の例会で10数名の吃音者の自然発話をDAT90分テープ4本分録音した.また病的音声の音響音声学・生理音声学的分析の実験資料,長母音の発声資料を12名の吃音者から採取した.そして日本で日本語学・言語学の学位を取得しているソウル在住の韓国語話者にデータの書き起こしを依頼し,その結果をまた日本で韓国語母語話者がチェックし,それを再度言語学専攻の日本人研究者2名でチェックした.韓国語母語話者のチェックは発話の総合的なもので,研究者のチェックは主に非流暢性の繰り返しの単位と繰り返し部分の環境についてであった. 一方,韓国語母語の健常者の非流暢性とその背景の発話に聞する言語資料は.衛星放送を通じて録音録画が可能な韓国のTV番組の中で,討論やインタビュー,素人参加番組を120分のVHSビデオテープ5本に録画録音した.そこで非流暢性が観察される63名の非流暢性とその発話の背景を,日本に留学中の言語学専攻の韓国語母語話者である大学院生と大学生に書き起こしを依頼し,言語学専攻の研究者2名でそれをチェックした.チェックの内容は吃音者の非流暢性の場合と同様である.また12名の韓国語母語話者から病的音声の音響音声学・生理音声学的分析の実験資料を,長母音の発声資料を12名の吃音者から採取した. 次年度にはこの結果を分析考察して発表し,公刊するつもりである.
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