2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510612
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
氏平 明 豊橋技術科学大学, 留学生センター, 教授 (10334012)
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Keywords | 発話の非流暢性 / 吃音者と非吃音者 / 非流暢性の分節 / 分節素 / モーラ / 音節 / 非流暢性の発生過程 |
Research Abstract |
本年度も昨年度に引き続き、発話の非流暢性の資料収集と収集した資料の分析に従事した。昨年度からから実施していた韓国語の非流暢性サンプルの収集は本年度で終了した。韓国語母語軽症の成人吃音者14名の自然発話から収集したサンプル数651例(語)、同じくその非流暢性の背景発話からのサンプル数2813例(語)である。また韓国語母語成人非吃音者(健常者)63名の自然発話から収集した非流暢性サンプル239例(語)、同じくその背景発話からのサンプル数689例である。これで韓国語の非流暢性分析の基礎データ収集が完了した。またインドネシア語の非流暢性サンプル収集の手がかりとしてインドネシア語の自然発話のVHS120分テープを4巻入手した。 韓国語の非流暢性サンプルの1側面を分析した結果、つぎのようなことが明らかになった。1)吃音者と非吃音者(健常者)とでは非流暢性の分節の蓋然性が異なる。これは日本語、英語、中国語の非流暢性の分析においても共通に観察される。ただし韓国語母語吃音者の分節素単位31.5%、モーラ単位41.9%、音節単位26.5%である。韓国語母語非吃音者は分節素単位0%、モーラ単位55.4%、音節単位44.6%である。2)非吃音者の分節の比率が最も有力な蓋然性を示している。これも日本語、英語、中国語の非流暢性においても共通に見られることであった。これらのことは同じ形の非流暢性であっても吃音者と非吃音者は主な非流暢性の発生過程が異なっていることが推測できる。 以上のことを去年の成果も含めて、2003年度英語学会のシンポジューム、平成15年度東京学芸大学公開講座、京都言語障害研究会108回例会研究会の招待講演等で発表した。
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