2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510620
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岸本 秀樹 神戸大学, 文学部, 助教授 (10234220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉岡 洋子 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00187650)
影山 太郎 関西学院大学, 文学部, 教授 (80068288)
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Keywords | 語彙情報 / 構文拡張 / 品詞転換 / 統語構造 / 語形成 / 意味構造 |
Research Abstract |
本研究課題の中心である語彙情報の普遍性に関する研究は本年度が初年度にあたり、調査・分析のために必要なコンピュータやその他の機器を購入し、かつ、研究連絡・打ち合わせの頻繁にできる態勢を作り上げた上で、本年度の当初の目標である基本的なデータの収集検討・分析に当たった。特に本年度は、研究分担者と定期的に会合を持ち、基盤となるデータをそれぞれの担当領域からどのように分析を行うかについて、かなりの頻度で検討を重ねていった。有機的な研究連絡と各担当者の個別の研究の結果として本年度は以下のような成果を得ている。動詞の意味記述及び理論化に関して、岸本は、以前より準備中であった本研究の目標に直接関係するトピック(場所格交替および存在・所有構文)に関する成果を論文として発表することができた。影山は、意味と統語構造を解明するという見地から研究をすすめ、特に、本報告書にあるようないわゆるX's way構文に関する研究成果を得ている。杉岡は、以前より語形成と統語構造の関係づけを探るという見地から研究をすすめ、検討を行っており、その成果の一部として本報告書にある著書(共著)という形で研究成果を発表することができた。本年度の成果は、主に、以前より準備中であったものの成果の一部であるものも多いが、本研究での所期の目的である成果を出すために必要な過程での成果でもあり、それぞれの担当領域での検討の進展とその成果の一部が発表されたものでもある。本年度は、本研究の所期の目的である動詞の意味記述の普遍性の記述に必要となる理論的体系の開発の基盤づくりに向け、さらに、次年度および最終年度の成果報告に向けて、特に綿密な検討が行われた.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kishimoto, Hideki: "Locative alternation in Japanese : A case study in the interaction between syntax and lexical semantics"Journal of Japanese Linguistics. 17. 59-81 (2002)
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[Publications] 岸本秀樹: "不定代名詞・副詞の句としての性質"英語青年. 148-12. 762-763 (2002)
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[Publications] 岸本秀樹: "日本語の存在・所有文の文法関係について"伊藤たかね編『レキシコンと統語の接点』言語情報科学シリーズ第二期・言語科学(東大出版会). 147-171 (2002)
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[Publications] Kageyama, Taro, Ura, Hiroyuki: "Peculiar Passives as Individual-Level Predicates"言語研究. 122. 181-199 (2002)
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[Publications] 影山太郎: "I slept all the way to Tokyo構文における副詞句の概念構造"英米文学. 47-1/2. 305-319 (2002)
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[Publications] 影山太郎: "『東京までずっと寝ていた』という構文の概念構造"國文學. 48-4. 37-44 (2003)
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[Publications] 杉岡洋子: "形容詞から派生する動詞の自他交替をめぐって"伊藤たかね編『文法理論:レキシコンと統語』. 91-116 (2002)
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[Publications] 伊藤たかね, 杉岡洋子: "語の仕組みと語形成"研究社. 210 (2002)