2004 Fiscal Year Annual Research Report
動詞形態の認知処理過程を手がかりとした言語機構の構造の解明
Project/Area Number |
14510623
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
酒井 弘 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50274030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉岡 賀津雄 広島大学, 留学生センター, 教授 (70227263)
小泉 政利 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (10275597)
牧岡 省吾 大阪女子大学, 人文杜会学部, 助教授 (60264785)
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Keywords | 心理言語学 / 認知神経科学 / コネクショニズム / 理論言語学 / 軽量言語学 / 事象関連電位 / 国際研究者交流 / イギリス |
Research Abstract |
複雑な動詞形態処理の神経基盤を探るための認知神経科学的研究、計量言語学的研究、理論言語学的研究を実施した。酒井は前年度に引き続き、広島県立リハビリテーションセンターと共同で、動詞形態を処理する母語話者の皮質活動をfMRIを使用して計測する脳機能イメージング実験を実施し、研究成果を国際学会Cognitive Neuroscience Society Annual Meeting 2004及び日本言語学会第128回大会において発表した。事象関連電位を指標として、母語話者が動詞形態の誤りを含む刺激を処理する際の神経活動を探る実験を実施し、研究成果を認知神経心理学研究会:第7回大会及び国際学会KIT International Symposium on Brain and Language 2004において発表した。玉岡と酒井は、日本語複合動詞の使用に関するコーパス研究を実施し、理論言語学において主張される語彙的複合動詞と統語的複合動詞の相違が、計量言語学的にも支持されることを示し、研究成果を学術誌Journal of Quantitative Linguisticsに発表した。酒井は日本語の複合述語によって形成される構文の構造と意味について、軽動詞(Light Verb)の役割に注目した理論言語学的研究を実施し、研究成果を学術誌English Linguisticsに発表した。玉岡と牧岡はそれぞれ、複雑な単語に関する記号処理モデルとコネクショニストモデルに関する研究を実施し、成果を言語科学会第6回年次国際大会において発表した。研究情報を交換し、研究計画にアドバイスを受け、研究成果を発表するためにMatt Davis博士(英国Medical Research Council研究員)を招聘して言語の認知神経科学に関するサマーセミナーを実施し、国内の諸研究機関から30名を超える参加者があった。
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