2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14510636
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Research Institution | Gifu City Women's College |
Principal Investigator |
ERICKSON Donna 岐阜市立女子短期大学, 国際文化学科, 教授 (80331586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 喜久雄 国立国語研究所, 研究開発部門, 領域長 (20173693)
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Keywords | 感情(パラ言語) / 調音運動 / イントネーション / 声質 / 音声学 / 知覚 / 認識 / vocal emotionの言語間差異 |
Research Abstract |
本年度は日本語および米語において音声によって感情がいかに伝達されるかについて、以下に述べる実験を実施した。 (アメリカ知覚試験はサウスダコタ州ブラックヒルズ州立大学にて実施) (1)種々のパラ言語情報(関心、落胆、疑い、等)を意図して日本語話者3名が発話した音声資料を米国人と日本人に聴取させ、パラ言語情報を同定させた実験。実験結果は、パラ言語情報の知覚にも、言語情報と同様に外国語学習の効果が観察されることを示していた(SP2004国際会議で発表)。(2)米国人に自然な日本語音声を提示し、そこに含まれる種々のパラ言語情報判断させた実験実験結果は、パラ言語情報のラベルは言語によって違っているが、主成分分析すると大体同じグループにクラスターすることを示していた。これに対する一つの説明は会話的なパラ言語であれば、日本人とアメリカ人の聞き取りはよく似ているという説明である。(3)演劇のような日本語音声を米国人に提示した。実験結果は、母国語とジェンダーによって違いがあり、特に女性のほうが男性より声にこめられた怒りの感情を聞き取ることが出来るということがわかった。これに対する一つの説明は、感情的な声であれば、ジェンダーの影響があるというものである。(4)今年米国人話者による感情を含む自然な英語発話の調音運動データの収録(NTT基礎研究所のEMA観測装置を利用して実施)。この実験は2002年9月に実施したが、2003年2月には、先の実験で収録された音声のテキストを、同一の被験者が、先の実験で観察された感情を模倣して朗読した発話の調音運動データも収録した。これらの実験データは現在分析中であるが、予備的分析の結果は、話者が泣きながら話している発話では、通常の発話に比べて下顎がより大きく運動し、狭母音の調音が調音空間中でより周辺的な位置をとることを示していた。これらの結果については、2003年6月(京都)、7月(奈良)、12月(オストラリヤ)に報告をおこなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Erickson, D., Ohnishi, M., Kurihara, H.: "Difference in perception of vocal emotion by men and women (in Japanese)"Gifu City Women's College Bulletin. 53. (2003)
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[Publications] Erickson, D., Mokhtari, P., Menezes, C., Fujino, A.: "Voice quality and other acoustic changes in sad speech (grief)"Technical Report, Institute of Electronics and Information Communication Engineers, June 2003. 43-48 (2003)
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[Publications] Erickson, D., Menezes, C., Fujino, A.: "Sad speech : Some acoustic and articulatory characteristics"Proceedings of the 6^<th> International Seminar on Speech Production, Sydney, Dec.7-10. 1. 16 (2003)
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[Publications] Erickson, D.: "Some articulatory and acoustic characteristics of sad (grief) speech"Presentation July 12,2003 at 音声文法研究会、奈良.
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[Publications] Fujimoto, M., Maekawa, K.: "Variation of phonation types due to paralinguistic information ; An analysis of high-speech video images"Proceedings of 15^<th> International Congress of Phonetic Sciences. 2401-2404 (2003)
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[Publications] Maekawa, K.: "Production and perception of 'Paralinguistic' information by non-native speakers"Proceedings of International Conference : Speech Prosody 2004,Nara, Japan. 1. 367-374 (2004)