2004 Fiscal Year Annual Research Report
神話学の比較実証研究-儀礼、合理性、ディスコース-
Project/Area Number |
14510643
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 佳秀 新潟大学, 大学院・現代社会文化研究科, 教授 (30154602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 孝庸 新潟大学, 人文学部, 教授 (90143742)
佐々木 充 新潟大学, 人文学部, 教授 (60105228)
荻 美津夫 新潟大学, 人文学部, 教授 (80115013)
山内 志朗 新潟大学, 人文学部, 教授 (30210321)
高橋 秀樹 新潟大学, 人文学部, 助教授 (80236306)
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Keywords | 神話 / 伝説 / 旧約聖書 / プラトン / 平家物語 / 法華経 / 湯殿山信仰 / ギリシア神話 |
Research Abstract |
研究期間の最終年度にあたるので、これまでの研究成果を論文にまとめ、集約した。研究代表者である鈴木佳秀は、「旧約聖書の中心をめぐる諸考察」を執筆し、旧約聖書の中心を特定する試みを検証しながらが、それとヘブライズムの中心を探す試みとがどのような相関関係にあったのかについて考察した。研究分担者の鈴木孝庸は「名剣伝承と平家語り」を執筆し、鎌倉室町時代に流行した物語、「剣」をめぐる物語の概要を紹介し、平家語りとしての特徴をいくつか指摘してみた。また、「日本古代の吟遊詩人は何を演誦していたのか」を執筆し、平家物語を語り広めた琵琶法師を取り上げ、「琵琶法師と平家物語」の関係、その事跡についての史資料を再検討した。研究分担者の佐々木充は、「エクリチュール否定の神話とソクラテスの<声>」を執筆し、プラトンのエクリチュール否定の問題を、プラトンの著作におけるソクラテスの<声>という角度から分析した。研究分担者の荻美津夫は、「法華験記における地方説話」を執筆し、『法華経』の霊験について、都から遠く離れた畿外地域を舞台とした説話を取り上げ、修行の場、修行形態、願望、信仰形態を明らかにし、その説話の収集方法について考察した。研究分担者の山内志朗は、「湯殿山信仰と口誦文芸」を執筆し、湯殿山信仰の成立に関する概観と、成立初期において神話の契機を高度に含む口承文芸が普及にどのように係わったのかについて考察を試みた。研究分担者の高橋秀樹は、「比較神話の方法--揺らぐ「古代ギリシア」像の再検討に向けて--」を執筆し、近年の諸々の研究状況のために揺らいでいる「古代ギリシア」像を再検討するために、神話を分析する場合の方法論について考察した。以上の諸論文は、研究成果報告書として、冊子にまとめられ、公表される。また、高橋は研究成果報告書とは別に、成果を単行本として公表した。
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