2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14510646
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 健治 大阪大学, 言語文化部, 教授 (80102797)
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Keywords | ギリシア演劇 / ローマ演劇 / 上演史 / 西洋古典の受容 |
Research Abstract |
16年度には、特に、上演史を調査した。その結果判明したことは、上演には、すぐれた翻訳が必要であり、翻訳には、特にギリシア・ローマの古典の翻訳には学識が必要であるということ、本格的な上演には京大、東大に西洋古典学科が設立され、日本西洋古典学会が設立されるというような制度的な準備も必要であったということであった。この結果、本格的な上演がなされたのは、1960年以降ということになる。 また、この上演の歴史を辿ってみると、上演がバランスよくなされてきたとはとても言えない、日本的な受容の仕方があったということが分かった。まず、日本における古典学の研究がドイツの影響を強くうけて発展してきているので、ドイツの学風を色濃く持っているということが判明した。そのことはギリシア偏愛、ローマ軽視ということである。古典学研究のこのような傾向を反映して、日本におけるギリシア・ローマ演劇の上演は圧倒的にギリシア演劇が多いということが調査の結果、判明した。さらに、興味深いことに、悲劇か喜劇かどちらの上演回数が多いかというと、圧倒的に悲劇の上演の方が多いことが分かった。従って、上演回数の多い順から記すと、ギリシア悲劇、ギリシア喜劇、ローマ悲劇、ローマ喜劇という順になる。ローマ喜劇は今回の調査の限りにおいて日本では一度も上演されたことがないジャンルである。 最後に、以上のことも含めてこの3年間の研究を報告書にまとめ、英語版も付加した。
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Research Products
(2 results)