2004 Fiscal Year Annual Research Report
国際組織のアカウンタビリティー確保のための国際法上の枠組の実証的研究と理論構築
Project/Area Number |
14520034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
植木 俊哉 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00160151)
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Keywords | 国際組織 / アカウンタビリティー / 国際法 / 国際法協会(ILA) / 国連(国際連合) / 紛争解決 / 国際刑事裁判所(ICC) / 勧告的規則・慣行草案 |
Research Abstract |
本年度は、本テーマの研究に関して重要な役割を担ってきた国際法協会(International Law Association ; ILA)の「国際組織のアカウンタビリティー」に関する国際委員会(Committee on Accountability of International Organization)が、2004年8月にドイツのベルリンで開催された国際法協会(ILA)第71回総会において、委員会の最終報告書(Final Report)を提出した。本研究代表者は、同国際委員会に日本代表の委員として参加しており、8月のILAベルリン大会にも出席して、委員会の最終報告書の審議及び採択に参画した。この最終報告書は、同委員会が1998年のILA台北大会に提出した第1報告書、2000年のロンドン大会に提出した第2報告書、2002年のニューデリー大会に提出した第3報告書を基礎として、これまで提示されていた国際組織の活動に関して遵守されるべき「勧告的規則・慣行草案」(Draft Recommended Rules and Practices ; RRPs)を集大成したものであり、全体は4部から構成されている。同最終報告書は、ILAベルリン大会最終日の全体理事会に提出され、採択がなされた。これにより、約6年間にわたったILAの「国際組織のアカウンタビリティー」に関する委員会における国際的な共同研究活動は、重要な成果を収めて終了をみた。同最終報告書の中で提示されたRRPsは、国際組織のアカウンタビリティー確保のための重要な指針として画期的な意義を有するものであり、この分野での先駆的な国際的共同研究成果として、各種国際組織の実務及び国際法学・国際組織法学の両面に極めて大きな影響を与えるものであるといえる。
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