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2004 Fiscal Year Annual Research Report

市場と法の役割分担の視点に基づく知的財産法の制度分析-法と経済学の実践的研究の試み-

Research Project

Project/Area Number 14520042
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

田村 善之  北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20197586)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 柳川 範之  東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80255588)
Keywords著作権 / 特許 / インターネット / クリック・オン契約 / 職務発明 / 補償金請求権 / 法と経済学 / 知的財産法
Research Abstract

第一に,昨年度までの研究成果である職務発明に対する補償金算定のありかたについて,理論を完成させた。その成果に関しては,本研究の研究代表者である田村が編者の一人となり,共同研究者である柳川が共著者の一人となった,田村善之=山本敬三編『職務発明』(有斐閣)として,4月初めに刊行される予定である。
本研究の成果は,(1)特許法35条の趣旨に鑑みると,補償金の金額は従業者と使用者に発明活動に対する適切なインセンティヴを与えるべきものであること,(2)資産効果を考えると,絶対額が大きくなった場合には従業者に配分する割合は低くなってもよいこと,(3)発明者である従業者以外に組織内で発明に関与する者に対してインセンティヴを付与するためには,資産効果が原因で発明者に対するインセンティブの付与にあまり効果がなくなっている分については使用者に留保しておき,そこから市場(この場合は雇用契約のこと)を通じて他の関与者に配分させたほうがよいこと,など多岐にわたる。
成果中,(1),(2)は著名な青色発光ダイオード事件の控訴審が出した和解勧告案にも影響を与えたものと自負している(研究代表者は私鑑定の形で,当該事件に意見書を提出している)。また,(3)は,市場と法の役割分担に関する具体例を提供するものであり,本研究が新たにとりかかる他のテーマにもつながる広がりのある成果であるということができる。
第二に,新たに,市場と法の役割分担という視点で,バイオ産業における適切な特許発明の保護適格性の設定に関する研究に着手した。米国では,ヴェンチャー企業と大手製薬メーカーが役割分担を行ってバイオ関係の創薬について顕著な成果をあげている。その要因は経済学的にみるとどこにあると考えるべきなのか,法としてはこうした分業体制を受け入れて,それをかき乱すことのないように特許権の保護のあり方を考えるべきではないか,という観点から,共同研究に着手している。来年度中には具体的な成果を世に公表する予定である。

  • Research Products

    (8 results)

All 2005 2004

All Journal Article (7 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 職務発明に関する抵触法上の課題2005

    • Author(s)
      田村 善之
    • Journal Title

      知的財産法政策学研究 5号

      Pages: 1-27

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] 競走馬の馬名をゲームソフトに無断利用する行為と物のパブリシティ権の侵害の成否-競走馬パブリシティ権I事件-2005

    • Author(s)
      田村 善之
    • Journal Title

      法学教室(別冊付録判例セレクト2004) No.294

      Pages: 21

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] 包括的クロスライセンスと職務発明の補償金額の算定2004

    • Author(s)
      田村 善之
    • Journal Title

      知的財産法政策学研究 2号

      Pages: 1-16

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] ソフトウェアの表示画面について著作権侵害を否定した事例-サイボウズ事件-2004

    • Author(s)
      田村 善之
    • Journal Title

      ジュリスト 1266号

      Pages: 192-195

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] インクの詰め替えと商標権侵害の成否-リソグラフ事件-2004

    • Author(s)
      田村 善之
    • Journal Title

      知的財産法政策学研究 4号

      Pages: 175-187

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] Theory of Intellectual Property Law2004

    • Author(s)
      田村 善之(城山康文氏翻訳)
    • Journal Title

      知的財産法政策学研究 3号

      Pages: 1-15

  • [Journal Article] 国際的な知的財産侵害事件に関する裁判例の動向2004

    • Author(s)
      田村 善之
    • Journal Title

      CIPICジヤーナル 155号

      Pages: 1-13

  • [Book] 経済学の進路 -地球時代の経済分析(担当部分「法律の経済分析 -職務発明問題への応用-」)2004

    • Author(s)
      嘉治佐保子, 柳川範之, 白井義昌, 津曲正俊 編著
    • Total Pages
      403(245-263)
    • Publisher
      慶応義塾大学出版会

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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