2002 Fiscal Year Annual Research Report
民事執行制度及び倒産処理制度の改正と担保権(抵当権を中心として)
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14520047
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
上原 敏夫 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30114937)
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Keywords | 民事執行 / 倒産処理 / 担保権 / 物上代位 / 抵当権 / 執行抗告 / 転付命令 |
Research Abstract |
実体法(民法)と手続法(民事執行法)が交錯する領域について、文献を中心に従来の判例・学説を研究し、法解釈論の現状、現行法の問題点及び立法の具体的課題の把握に努めた。平成14年3月に法務省より、担保法・執行法改正のための中間試案が公表されたので、民法ないし民事執行法を専攻する4名の研究者(生熊長幸、野村秀敏、長谷部由起子、山野目章夫の各教授)とともにこの中間試案を詳細に検討し、その成果を日本民事訴訟法学会臨時大会(平成14年4月)でシンポジウムの形で発表した。研究代表者は、この共同研究会を組織し各研究者の報告内容を調整し、学会当日は座長を務めたが、多数の参加者があり、活発な討論がなされた。当日の報告内容はNBL738号等に掲載されている。また、研究代表者は、以前から臨時委員を務めている法制審議会担保・執行法部会においても、本研究の成果を踏まえて積極的に発言したが、同部会は、平成15年2月、民法及び民事執行法等の改正要綱をとりまとめ、これを受けて法務省は改正法律案を国会に提出し、本年中の法改正が待たれている。改正法律案には、その後の社会情勢の変化等を反映して、改正要綱とは内容的にやや異なる規定も含まれており、早速、その点をも含めて法改正の意義や問題点の研究に着手し、法成立後の解釈論の本格的展開の準備作業をした。研究代表者は、他方で、研究対象分野における現行法をめぐる判例・学説の研究も着実に進めており、現行法上の2つの重要な法律問題(抵当権に基づく物上代位と債権執行の交錯、抵当権実行手続における不服申立手続のあり方)につき、最高裁判所の最新判例を契機として、詳細な検討をし、その成果を法律雑誌に発表した(後掲11参照)。
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Research Products
(2 results)