2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14520069
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
本澤 巳代子 筑波大学, 社会科学系, 教授 (70200342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 豊 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (70312791)
村上 正子 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (10312787)
出口 正義 筑波大学, 社会科学系, 教授 (00109737)
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Keywords | 生涯(型) / 所得保障 / 年金 / 保険 / 共済 / 投資 |
Research Abstract |
研究の第2年度である本年度においては、前年度から継続して検討している各方面における問題点の明確化を一層図った。具体的には、公的年金制度を含む社会保障制度全般に加えて、各種の私的な年金保険契約までを広範に分析検討の対象とし、各研究分担者の専門性及び研究上の個性の幅を生かすことを主眼として、概ね以下のような分析検討を行った。(1)生涯型保障制度の実務上の問題点に関する実態調査、(2)かかる問題点に対する実務上の対処とそれに関する法的評価の検討、(3)生涯型保障制度における法律関係の基本構造の分析、(4)経済的観点からの生涯型保障制度の位置づけの検討。各研究担当者における研究状況を概説すると、まず、研究代表者である本澤巳代子は、専ら社会保障法専門研究者としての観点から、公的年金制度を中心に、生涯型所得保障制度全般の現状把握と政策提言とを行おうとしている。次に、出口正義は、商法、保険法の専門的知見を生かして、諸外国の私的保険制度を比較検討し、最終的に公的年金制度との制度的整合を図ろうとしている。又、村上正子は、民事訴訟法、破産法の専門研究者として、公的及び私的年金制度が破綻した場合における手続的処理とかかる場合における関係当事者間の公平の理念を検討している。そして、星野豊は、信託を始めとする金融関係の専門的知見を生かして、公的年金制度における投資型ファンドにおける問題点を中心に、生涯型所得保障制度全般に通じる問題の所在を明らかにしようとしている。以上のような調査・研究活動を遂行するため、各方面、各分野における文献資料及びデータベースを購入、調査したり、実態調査を広範に実施するための必要準備に相当程度の時間を費やしているが、現段階においては、各研究者の研究上の観点が、昨年度から本年度までを通じた分析検討の中で、各自の個性に応じて形成されてきている状態であり、かかる分析検討が具体的な成果となって結実するのは、研究の最終年度である平成16年度を待つ必要がある。なお、本年度下半期の段階において、各自の研究上の観点や当該時点における研究の進展状況を相互に検討し直し、平成16年度の夏頃までに、各自の研究上の観点を統合させて、本研究の成果を逐次公表していくことを合意した。
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Research Products
(2 results)