2003 Fiscal Year Annual Research Report
プエルトリコにおける急進的州権論に関する政治思想史的研究
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14520085
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
志柿 光浩 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (60215960)
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Keywords | プエルトリコ / アメリカ合衆国 / 政治思想史 / ラディカルデモクラシー / 州権論 / 植民地 / ナショナリズム / 参加 |
Research Abstract |
「急進的州権論」の主張は基本的に(1)「独立国家」を形成した場合に比べて、アメリカ合衆国の一州となった場合のほうが政治的・経済的・社会な領域での民主主義が「まだマシな形で」保証される。すなわち民衆・労働者の権利を最大限に確保するというラディカル・デモクラシーの原理からみれば、「独立」よりは「州権」のほうが合理的である。(2)以上のような理解に基づくアメリカ合衆国への「併合」は、文化的な「同化」を受け入れる行為ではなく、合理的な判断に基づいた「参加」の行為である。という二つの論理から構成されてしる。 本年度は特に、アメリカの多文化主義は、社会の構成員に「相違する権利」を認める民主主義原理に基づく思想・制度であるという面を持つ一方で、アメリカの国是ともなってきた「多様の中の統一(e pluribus unum)」を実現し、「ネーション」を保持するための一つの方便であるという面を合わせ持つ。果たしてこのようなアメリカの多文化主義は、上記のような「合理的判断に基づく参加者による共同体」という国家観を許容することができるのか、という点に重点を置きながら文献調査を行った。 また、プエルトリコにおいて、「急進的州権論」の提唱者であるプエルトリコ大学教養学部教授Juan Duchesne氏にインタビューを行い、「急進的州権論」提唱の背景、言論界からの反応について伺った。また、同大学社会研究所教授Mariano Negron Portillo氏、同大学文学部教授Fernand Pico氏らにインタビューを行い、「急進的州権論」をとりまく社会情勢ならびに歴史的背景について意見交換を行った。
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