2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14520105
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Research Institution | the University of Shimane |
Principal Investigator |
鹿 錫俊 島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (20272784)
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Keywords | 中国国民党 / 中国共産党 / 外交 / 中国 / 日本 / ソ連 / 国民政府 / 蒋介石 |
Research Abstract |
(1)北京、南京、上海を中心に中国大陸での補足的調査を終えたうえ、特に台湾において国史館と中国国民党党史館の所蔵資料を集中的に調べ、蒋介石の「事略稿本」および中国国民党中央政治会議記録の関係内容を手書きで抄録した。これにより、1933年から1937年までの中国国民政府の対日政策の究明に必要な一次資料の収集が大きく前進できた。 (2)資料収集の進展に伴って、下記の4点を中心に学術論文の作成を着実に進めてきた。(1)「中国の国際的解決構想と日中戦争の拡散」を仮題とする論文を完成し、終戦60年記念論文集の一部として、東京大学出版会により刊行されることになっている。(2)小池聖一氏の『満州事変と対中国政策』に対する書評と合わせて、1930年代の日中関係研究方法を探索する書評論文を完成し、『史学研究』248号に載せることになっている。(3)他大学の研究者とともに『東アジア国際政治史』と題する教科書を執筆し、1930年代に関する本人のこれまでの研究成果をそれに収斂した。同書は名古屋大学出版会から出版することになっている。(4)2005年8月に中国で行われる「中華民国史国際シンポジウム」の研究発表者として、中国国民党中央政治会議記録に基づく論文をまとめている。なお、今年度は、研究の成果は論文としての発表に止まらず、教育活動においても十分に活用しなければならないという反省に立脚して、大学院と学部の教育において、本プロジェクトと日本人の留用問題に関するもう一つのプロジェクトの成果を学生に向けて発信し、良い反応を受けた。 (3)最終年度の研究活動の一環として、台湾の呉文星教授、謝国興教授、黄自進教授と中国大陸の石源華教授、胡礼忠教授、沈志華教授、臧運怙助教授ら学者を大学に迎え、学術交流を深めるとともに、国際に向けての本人の研究成果の発信に努力した。
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