2002 Fiscal Year Annual Research Report
北アイルランド粉争における権力分有型合意形成モデルの適用とその社会的影響の研究
Project/Area Number |
14520117
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
南野 泰義 立命館大学, 国際関係学部, 助教授 (60268141)
|
Keywords | 北アイルランド / パワーシェアリング / ナショナリズム / ユニオニズム / ロイヤリズム / カトリック / 和平プロセス / 英国・アイルランド関係 |
Research Abstract |
当研究は、これまで6年間にわたって実施してきた北アイルランドでの現地調査をもとに、北アイルランド紛争を具体的な事例として、武力行使をともなう紛争を予防、回避、そして平和的手段によって解決し、さらに長期的展望として、公正で共存可能な民族間関係を構築していくための原則と政策形成の方法を開発することを目的としている。今年度は、主に、北アイルランドの政治的・社会的構造に関する実態的調査との関連で、サニングデール・モデル、北アイルランドフォーラム・モデル、社会民主労働党・モデル、ケネディー・モデル、アングロ・アイリッシュ・モデル、1998年和平合意モデルなど、北アイルランドをめぐる和平プロセスの歴史的な展開とそこに示された紛争処理の方策案について比較・再検討を行ってきた。 平成14年度の研究において、平成14年8月7日から16日にかけて、北アイルランド・ベルファスト市のカトリック系居住地、ショート・ストランド地区、アードイン地区を訪問し、地元コミュニティー組織及び人権NGO関係者、プロテスタント系過激派による暴力事件ならびにカトリック系学校へのハラスメント事件の被害者に対して聞き取り調査を実施した。また、平成15年2月2日から9日まで、ロンドン大学のジョン・ハッチンソン博士と、研究状況と今後の研究計画について打ち合わせを行うとともに、北アイルランド自治政府の現状についての資料収集を行った。 当研究は継続的調査を必要とするがゆえに、平成14年度以降も現地調査を継続し、北アイルランドにおいて、政治団体や民間支持団体、地域の住民組織や人権団体に対する聞き取りなどの現地調査を行なう予定である。
|
Research Products
(1 results)