2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14530020
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 誠 国学院大学, 経済学部, 教授 (10012121)
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Keywords | 市場経済 / 資本主義 / 貨幣の価値 / 現代資本主義 / 日本経済 / 新自由主義 / グローバリゼーション |
Research Abstract |
本研究は、4年間の実施計画ですすめられ、平成17年度は、その最終年度にあたっていた。計画にしたがい、市場経済と資本主義の原理と現代的変異性をめぐり、いくつかの問題に検討をすすめ、その成果を本様式の項目11に記載する論文4点にとりまとめ公刊した。まもなく4月2-3日に、上海財経大学で開催される国際政治経済学会第1回大会にも、本研究の成果のひとつとして論文'Neo-Liberalism and Globalization of Contemporary Capitalism'を提出し、報告する。 これらの論文にそれぞれとりまとめた研究の推進とあわせて、本年度は、とくに本研究企画の最終年度として、4年間にわたる研究全体の成果を総括して、つぎの著書2冊に集約する作業に重点をおいた。 そのひとつは、『幻滅の資本主義』(大月書店、2006年3月、272ページ)である。そこでは、序章に続く10章を、「資本主義は勝利しているか」「現代資本主義の貨幣・金融問題」および「ジェンダー・イッシューと人口問題」の3編に区分して、市場経済と資本主義の原理にてらし現代資本主義の変異性の重要な諸側面を総括的に解明する試みをとりまとめている。年度内に刊行できる予定で、来年度はこれにもとづく講義や、市民講座でも本研究の成果を活かしてゆきたい。別途提出する研究成果報告書は、この著書の主要な章を抜粋し、編成する。なお、そこにも記載しておくように、本研究の成果は、海外でのいくつかの学会報告、講義、論文の刊行などの形でも活用することができた。 もうひとつは『資本論を読む』(講談社学術文庫、2007年刊行予定)である。そこでは、現代の資本主義や社会主義の変異性を考察する作業をつうじて、あらためて市場経済と資本主義の原理に再考をすすめる試みを重視して、基礎理論の研究作業をすすめている。すでに第一次草稿は完成しているが、しあげにもさらに若干の時間をかけ2007年の早い時期には出版できるよう願っている。
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Research Products
(5 results)