2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14530026
|
Research Institution | HIROSHIMA SHUDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
時政 勗 広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (40069703)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂木 健次 富山大学, 経済学部, 教授 (50037115)
増田 信彦 富山大学, 経済学部, 教授 (70019090)
|
Keywords | 中国の環境問題 / 地域別・部門別分析 / エネルギー消費原単位 / 中国の環境経済勘定 / グリーンGDP / 中国の都市廃棄物政策 / 要因分析 |
Research Abstract |
巨大な国中国を画一的に捉えるのは正しくなく環境汚染についても地域ごとの特徴を捉えて考察する必要があるという観点から研究を行い、以下の結果を得た。 1.中国を省別・部門別に分けたときのエネルギー消費構造を見て地域別特徴を示し、またエネルギー効率指標を代表するエネルギー消費原単位の変化要因と省別格差形成要因を計測した。労働生産性、労働人口構造、産業構造の効果を調べ、労働生産性要因がエネ消費に大きくマイナスに働くこと、省別格差は.沿岸部でマイナス内陸部でプラスが見られることなど中国の地域別環境汚染の特徴を実証した。 2.われわれが推計した中国のCO2排出量の部門別データとわが国のデータを利用して、日本と中国の部門別排出量変化の要因分析を行った。日本は運輸、業務部門、中国は産業部門の増加が顕著という両国の汚染排出構造の違いや両国共経済成長がプラスに、構造変化とエネ効率がマイナスに作用したこと、それにはどの部門が強く働くかを示した。また要因分析の種々の方法を適用して各手法の持つバイアスも見た。 3.中国の各省別のグリーンGDPをはじめて計測し、中国の地域格差を、一人当たりGDPの面だけでなく、グリーンGDPの面からも見て、地域の環境と経済の相互関係を検討した。得られた結果は、GDPが大きい地域はグリーンGDPも大きく、1995年から1999年までの高成長期においても汚染物質排出はそれほど増えていないというものであった。 4.環境経営の基礎資料としての環境会計を中国で導入する際の問題点、中国での環境会計の事例などを現地調査の結果も含めて示し、わが国のそれと比較し分析した。 5.経済発展に伴う中国の環境問題を都市部での廃棄物という観点から調査分析した。成都市、潘陽市を事例に分析し、この現状に中国の環境政策がどのようにかかわってきたか、その改善方向について述べた。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 張宏武, 時政勗: "中国における地域別・部門別エネルギー消費の分析"第19回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス講演論文集. 325-330 (2003)
-
[Publications] 金堅, 桂木健次: "図們江開発構想と環境問題"富山大学紀要「富大経済論集」. 49・1. 241-279 (2003)
-
[Publications] 夏 広譜, 桂木健次, 増田信彦: "中国における環境会計の導入について:日本の環境会計の現状を参考にして"富山大学紀要「富大経済論集」. 49・2. 163-201 (2003)
-
[Publications] 青木卓志, 増田信彦: "富山県の産業構造変化と資源消費や環境負荷への影響(I)(II)"とやま経済月報. 平成15年10月12月. 6-7 (2003)
-
[Publications] 桂木健次: "市場経済に関する学史的系譜と環境論の位相"富山大学紀要「富大経済論集」. 49・3. 117-126 (2004)
-
[Publications] K.Katsuragi: "Environmental Damages Valuation and I/O Matrix : Overview of the Oil Spilled Accident by NAKHODKA (Russian Tanker)1997"Kanazawa University COE Project. 414-434 (2003)
-
[Publications] 沢野伸浩, 龍世祥, 金堅, 桂木健次, 相川泰, 明日香壽川: "アジア環境白書(日本環境会議編著)"東洋経済新報社. 149-174 (2003)