2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14530110
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西村 尚剛 広島大学, 経済学部, 教授 (00335639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 喜久 広島大学, 経済学部, 助教授 (50311808)
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Keywords | 空売り規制 / 市場監視能力 / 証券取引等監視委員会 / ボラティリティ / 情報流入仮説 |
Research Abstract |
株式市場における作為的相場形成を実証的に分析するにあたり、今年度は作為的相場形成が行われる株式市場の環境およびその背景を理解するために、主として以下の二つの観点から研究を行った。 一つは、証券取引等監視委員会による証券市場のエンフォースメントに関する現状分析である。平成四年に設立された証券取引等監視委員会は、その機能、活動状況を見たとき、いくつかの課題があることが明らかになった。第一に、監視機能重視の組織のあり方であり、米国のSECなどのトータルな規制機関としての役割を求める事はできない事である。第二に、市場規模に対して十分な監視機能を果たすには、監視委員会の体制の整備が必要な事である。第三に、市場監視に必要な権能のについてはコンセンサスが得られておらず、有効な取り締まり手段の検討が必要な事である。その他、国際取引や情報革命などへの対応といった事への対応についても課題が残されている。 もう一つは、風説の流布といった情報の市場への流入が相場形成に至るプロセスに関する分析である。上場個別銘柄日次収益率および各個別銘柄毎の取引高に関するデータベースの構築を行った。個別銘柄の相場形成に影響を及ぼす情報とその価格への伝播プロセスを理解するため、情報流入仮説に従い、取引高を市場への情報流入量の代理変数として扱い、情報流入と価格(収益率)変動とのタイミング、情報流入規模と価格変動との関係、およびこれらの価格変動の持続性への影響などを構築したデータベースを使い推計した。その結果、第一に情報流入のあり方自体に構造をモデル化する必要があること、第二に、いったん価格の変動性が高まると情報流入の影響と識別できないこと、第三に異常値と考えられるような大規模な情報流入は市場全体で見ても限られており、データの制約が発生するためモデル推計の有意性に問題が生じることなどが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 西村 尚剛: "空売り規制強化の評価にかかる一考察"広島大学 経済論叢. 第26巻・第1・2号. 41-52 (2002)
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[Publications] 西村 尚剛: "わが国証券市場の法務執行の現状について"広島大学 経済論叢. 第26巻・第3号. 107-112 (2003)
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[Publications] 鈴木 喜久: "トレンドがある下での株価変動と売買高との関係"広島大学 経済論叢. 第26巻・第1・2号. 53-67 (2002)