2002 Fiscal Year Annual Research Report
成員の流動化に適合した組織とマネジメントに関する実証的研究
Project/Area Number |
14530140
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
太田 肇 滋賀大学, 経済学部, 教授 (30223837)
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Keywords | インフラ型組織 / 囲み込み型組織 / 選別パラダイム |
Research Abstract |
成員の流動化に適合した組織とマネジメントについて、初年度にあたる本年度は、以下の研究を行った。 まず、流動化の現状、ならびに組織・マネジメントの変化を把握するため、資料や文献を渉猟し、それに基づいて定性的な分析を行った。つぎに、国内ならびに国外(中国の上海・北京、韓国の釜山)において先進的な企業、地域の特徴的な企業・組織を訪問し、見学および聞き取り調査を実施した。 さらに、日本経営学会、組織学会などの場では、関連する報告を聞き、報告者や参加者と議論、ならびに情報交換を行った。また日本経営史学会では、私自身の問題意識と現時点における研究から得た知見などについて発表した。 こうして獲得した情報や知見をもとに、さまざまな角度から分析や考察を加えた。その結果明らかになったことはつぎのような点である。 成員の流動化に伴って、従来の「囲い込み型」組織が徐々に崩壊し、かわって私がモデル化した「インフラ型」組織が広がってきている。この現象は、企業組織に限らず、行政組織、教育組織などにも共通してみることができる。また成員のマネジメントの面でも「選別型」のシステムにかわって、市場や社会への適応に重点を置いた「適応型」のシステムに切り替わりつつある。 これらの結果については、遅くとも年内をめどに論文または著書の形で発表する計画である。また来年度は、より焦点を絞って研究を続ける予定である。
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