2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14530157
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Research Institution | MEIJI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 志津子 明治大学, 経営学部, 教授 (30202013)
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Keywords | 旧ソ連 / 中東欧 / 企業 |
Research Abstract |
ロシア・プーチン政権下での企業と社会の関係、ならびに、移行経済と中小企業の関係、の2つのサブ・テーマを設けて研究した。 1.「ロシア・プーチン政権下での企業と社会の関係-『ロシア型企業システム』の展望-」と題する論文を発表した。この論文では、エリツィン政権下で成立した「ロシア型企業システム」が、プーチン政権下でどのように変化したかを明らかにした。変化の内容は、次の5点に見られる。(1)1998年金融危機に強制されて再編成した。(2)政権からの攻撃を受けるようになった。(3)製造業に進出し始めた。(4)政権と財閥の関係の制度化の動きが始まった。(5)企業の倫理、社会的責任の問題が現実的関心事となった。 2.「移行経済と中小企業-ロシア、中東欧、中国の中小企業の比較-」と題する論文を発表した。この論文では、ロシア、ポーランド、ハンガリー、中国の4カ国に関して、まず中小企業の量的比較を行い、さらに、中小企業の発展過程、中小企業の現状の特徴、中小企業の発展の障碍、政府等の中小企業支援政策を比較した。そのような実証研究の結果、移行経済と中小企業の関連について、次の3点が確認できた。(1)中小企業の量的増大には意義があるが、それだけで経済発展が保障されるわけではなく、中小企業の中身が問題である。(2)中小企業の状況には、各国のマクロ経済状況、社会文化状況、社会主義時代の計画経済システムの態様などが深くかかわっている。(3)政府が取るべき中小企業支援政策は、当該国の状況に合わせて多様なものであるべきである。
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