2003 Fiscal Year Annual Research Report
男女雇用機会均等法1期生の現状と人事管理上の成果と問題
Project/Area Number |
14530165
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Research Institution | Seitoku University Junior College |
Principal Investigator |
前田 勲 聖徳大学短期大学部, 文学科, 教授 (60238855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早坂 明彦 聖徳大学, 人文学部, 助教授 (40238093)
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Keywords | 均等法1期生 / 総合職女性社員 / 男女共同参画社会 / 透明性のある人事考課 / 評価の公平性 |
Research Abstract |
今年度は、前年の先行研究を受け、調査の対象となる均等法1期生の女性社員に面接とアンケートによる調査を実施した。 具体的には、前年度に協力いただいた人事担当者を通じ、1期生の女性社員を抽出し、人事担当者および女性社員の了解を得て直接面接方法により、個別に調査を行った。また、面接に協力いただけなかった人には紙面によるアンケート調査を実施、約13%の回答を得ることができた。予備調査で、現在の経済情勢の影響や、会社側からの協力が困難であろうということはある程度予測していたので、まずまずの成果である。 調査結果によると、当初、仮説として提起していた(1)現在も働き続けている女性社員は独身である(2)既婚者であるなら子供のいない夫婦である(3)既婚者で子供がいるなら親との同居である、という考えを改めざるを得ないことが判明、嬉しい誤算ではある。これは、今後の調査への布石となるものと思われる。 さらに、男性社員と女性社員との給与や昇進等における差異も予想以上にあることが分かる。しかし、女性社員の中には働き続ける理由として経済的理由を挙げている人も多く、仕事への生きがいや社会とのかかわりを大切にしたいという考えから就労している人も少なくない。結果として、昇進することにはあまり関心を持っていない人も予想以上であることに注目したい。 男女共同参画社会を築くためには、人事考課のさらなる透明性と、評価の公平性が重要であることは言うまでもないが、現在の経済状況の改善や少子化の問題、また、働き続ける理由等も考慮しながらなお継続した調査が必要である。
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