2004 Fiscal Year Annual Research Report
利益概念と会計の職能に関する制度的および概念的研究
Project/Area Number |
14530166
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
万代 勝信 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (80209709)
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Keywords | 利害調整 / 情報提供 / 収益費用アプローチ / 資産負債アプローチ / 固定資産の時価評価 / 概念フレームワーク |
Research Abstract |
本年度は、イギリスを検討対象とし、それが予定していると思われる会計職能と利益概念を分析検討した。また、わが国で初めて概念フレームワークが公表されたので、これも分析検討の対象とした。 イギリスで財務会計基準委員会が公表している会計基準(財務報告基準)は、基本的に情報提供機能を志向している。しかし、イギリスの会計基準の中で非常に特徴的なことは、固定資産について時価評価が許容されていることと、純利益のような特定の数値に意味を持たせるのではなく、収益費用として計上されたそれぞれの項目に意味を持たせる情報セットアプローチを採っていることである。特に、後者の点は、世界的に見ても初めての試みであり、今後、このアプローチが支持されていくのか否か、注視していく必要がある。 また、わが国で初めて公表された概念フレームワークは、基本的には海外の概念フレームワークと同じ構成を採っているが、いくつかの点で異なることが明らかとなった。1つは、経営者の役割は事実の報告であり、投資家の役割は将来の予測であることを明確に述べている点である。2つは、資産負債の評価を原価なり時価なりに統一することが財務報告の目的に役立つのではなく、それらを必要に応じて使い分けることのほうが、財務報告の目的に適うことを明確にしている点である。 以上のことから、つぎのような知見を得た。すなわち、会計職能と利益概念との関係が1対1の対応関係にあるのではなく、1対多の対応があり得ることを示唆するものである。
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Research Products
(1 results)