2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14530167
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
林 健治 富山大学, 経済学部, 教授 (60231528)
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Keywords | 国際会計基準 / 米国GAAP / 会計の多様性 / 調整表 / Form 20-F / 外国上場 / 比較可能性指標 / のれん |
Research Abstract |
科研費補助金により購入した設備備品(Mergent Company Data CD-ROMおよびMergent Online、国際会計論に関する文献)を利用して行った本年度の研究の主な知見は、次のとおりである。 1.国際会計基準または米国GAAPを採用する企業の属性に関する仮説検証 外国証券取引所に上場する企業は、国内の証券市場にだけ上場している企業よりも国際的基準に準拠する傾向がある。国際的基準に準拠する傾向は、国際的分散の水準、所有権の分散、規模、レバレッジとともに強まる。国際的基準に準拠する傾向は、固定資産の比率と逆の相関を示す。国際的基準に準拠する傾向は、収益性とともに強くなる。これらのうち上場状況、株式の国際性、所有権の分散、規模についての仮説は支持されたが、レバレッジ、固定資産の比率、収益性についての仮説は支持されなかった。 2.国際会計基準または米国GAAPへの調整表作成と有用性に関する検討 日本では調整表作成が普及しておらず、十分なサンプルを確保できなかった。そこで英国企業をサンプルとして、会計基準の国際的相違が利益および株主持分におよぼす影響を、比較可能性指標(index of comparability)を利用し、数量化しようと試みた。英国基準に準拠して算定された利益は、米国基準に準拠して算定された利益より大きかった。米国基準の保守性は、先行研究により指摘されたが、本研究においても、米国基準の保守性が再確認された。のれんに関する英国の新基準FRS10公表後も英米基準により測定された利益には、なおも重大な乖離が生じていることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)