2003 Fiscal Year Annual Research Report
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14530167
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Research Institution | TOYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
林 健治 富山大学, 経済学部, 教授 (60231528)
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Keywords | アナリストの予測 / 調整表 / Form 20-F / 米国GAAP / 国際財務報告基準 / 市場流動性 / 価値関連性 / 情報の非対称性 |
Research Abstract |
科研費補助金により購入した設備備品(Lexis-Nexis Online Database Company DataおよびI/B/E/S International Database、国際会計論に関する文献)を利用して行った本年度の研究により得られた主な知見は、次のとおりである。 世界のGAAP(国際的に承認された会計基準)を米国GAAPまたは国際会計基準と捉え、国際会計基準または外国GAAPから米国GAAPへの調整表開示の有用性を、アナリストの利益予測におよぼす影響という側面から実証分析しようと試みた。Hara et al.(2003)による先行研究をふまえて、イギリス、ドイツ、オランダ、フランス、イタリアのニューヨーク証券取引所上場企業を対象として、次の仮説に関する検定をおこなった。 仮説1.1:調整表提出日付近の異常改訂は、アナリスト数が増えるにつれて減少する。 仮説1.2:調整表提出日付近の異常改訂は、外国GAAPと米国GAAP調整利益との差異が大きくなるにつれて増加する。 仮説1.3:調整表提出日付近の異常改訂は、アナリストの予測の変動係数とともに増加する。 最小二乗法による検定結果は、仮説1.3のみを支持し、アナリスト予測の変動係数が高まるにしたがって調整表開示に対し、アナリストが反応する傾向が見られ、調整表の有用性が確認された。これらの研究成果を日本会計研究学会第62回全国大会自由論題において報告した。
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Research Products
(2 results)