2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540030
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
片山 真一 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70194777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 英夫 愛知学院大学, 情報社会政策学部, 教授 (50023560)
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Keywords | 単数 / 類数 / 不足方程式 |
Research Abstract |
我々がこの一年間に得た成果は,ある4次体の単数群の構造についての「On a family of real bicyclic biquadratic fields」(CRM Proceedings and Lecture Notes 36)および,あるタイプの連立不定方程式の整数解の構造についての「On simultaneous diophantine equations」(Acta Arithmetica 108(2003),369-377)である。以上の結果は,以前から行ってきた特殊な実2次体および双4次体の単数群の構造の研究に基づいている。「On simultaneous diophantine equations」で扱った連立ペル方程式については,正整数解の個数は,3個以下というのがM.A.Bennettによって得られた現時点での最良な結果である。しかし個別に計算機を使ってBakerの手法を適用して求めてみると,特殊な場合を除けば,1個しかないことが強く示唆される。これは,現在我々が用い得る手法では,証明できない現象であるが,この現象は,ABC予想を仮定すれば極めて自然に説明できることがわかっている。また同時に,特殊な双4次体について,単数群の基本単数系を明示的に得ることになり,様々な数論への応用が期待される。実際,岸康弘氏と共同で,類群のp-rankが2以上であるようなp-1次の巡回拡大の無限系列の構成に利用できることを示した。 また2003年10/14-10/17の間,名古屋大学多元数理研究科において,中原徹,佐藤潤也両氏の協力を得て「Yokoi-Chowla conjecture and related problems」と題し,代数体の類数,単数ならびに整数環の構造に関する研究集会を開崔した。海外からの招待講演者5名(A.Pethoe, A.Biro, H.K.Kim, P.Olajos, C.Levesque)を含む計12の講演が行われ,研究分担者の横井英夫氏も含めて延べ40名の参加者があった。なおこの成果は,全ての講演と他の寄稿もあわせた報告集を3月末に発行する予定にしている。
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Research Products
(1 results)