2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540081
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
勝田 篤 岡山大学, 理学部, 助教授 (60183779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島川 和久 岡山大学, 理学部, 教授 (70109081)
田村 英男 岡山大学, 理学部, 教授 (30022734)
酒井 隆 岡山大学, 理学部, 教授 (70005809)
池田 章 岡山大学, 教育学部, 教授 (30093363)
田中 直樹 岡山大学, 理学部, 助教授 (00207119)
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Keywords | 酔歩 / べき零 / スペクトル / 半古典近似 / 逆問題 / 安定性 |
Research Abstract |
主にべき零被覆に関連する漸近問題、特に(1)有限グラフあるいはコンパクト多様体のべき零被覆上の酔歩の時間無限大での振舞い、および(2)コンパクト負曲率多様体上の測地流の閉軌道の長さの分布について調べた。 得られた結果は、これまで得られていたアーベル被覆の場合の結果の拡張になっている。証明の方法は、表現論を用いて、上記問題に関連する作用素を分解し、そのスペクトルを調べるという点では、ディリクレ以来の考え方に基ずいた、アーベル被覆の場合の方法の拡張といえるが、べき零への拡張には困難が伴っている。困難点と克服法の主な考えは次の通りである。べき零群の場合は離散群は非I型であるため表現論が利用できないので、一度それを一様格子として含むLie群に持ち上げて、その表現論を用いる。しかし、この場合既約表現が無限次元であるので、問題が残る。反復積分を用いて上の既約分解と作用素の分解を結びつける。さらに、ランメル、ベリサールおよびエルフェール、ショウストランドの用いた半古典解析の考え方を利用して、表現空間を半古典的な意味で分解することにより、有限次元に帰着し、そこでスペクトルを調べることにより結果を得る。 上記以外には、従来からの研究課題であるゲルファントのスペクトル逆問題の安定性について、リッチ曲率の仮定の下で、テーラー、アンダーソンらと研究と合わせて、上記2人およびこれまでの共同研究者である、クリレフ、ラサスとともに計5人で研究をまとめた。 研究分担者は、上記研究における討論の他、酒井は幾何学的不等式等のリーマン幾何的研究および曲率に関する総説をまとめ、、田村は、磁場での散乱理論やトロッター加藤の積公式、池田は等スペクトル多様体、田中は非線形半群、島川は配位空間の位相等について研究した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Katsuda, Y.V.Kurylev, M.Lassas: "Stability and Reconstruction in Gel'fand Inverse Boundary Spectral Problem"Springer Lect.Note in Math.. (in press).
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[Publications] T.Ichinose, H.Tamura: "On the norm convergence of the self-adjoint Trotter-Kato product formula with error hound"Proc.Indian Acad.Sci.Math.Sci.. 112. 99-106 (2002)
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[Publications] Y.Kobayashi, N.Tanaka: "Semigroups of Locally Lipshitz operators"Mathematical J.Okayama Univ.. 44. 155-170 (2002)
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[Publications] 酒井 隆: "典率-20世紀までとその後?-"数学. 54巻3号. 292-307 (2002)