2002 Fiscal Year Annual Research Report
有限群の表現と不動点集合を実現する有限群作用に関する研究
Project/Area Number |
14540084
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
角 俊雄 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (50258513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 則夫 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (60213287)
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Keywords | ギャップ表現 / ギャップ群 / 有限群作用 |
Research Abstract |
素数べき位数でない有限群をGとする.G-表現が,Pは素数べき位数で,HはPを真に含む部分群であるようなすべての部分群の組(P, H)に対してPによる固定点集合の次元がHによる固定点集合の次元の2倍より真に大きいとき、この表現をギャップ表現といい,有限群Gをギャップ群という.素数pに対し,Gの指数pべきの正規部分群のうち位数最小な群をDress p-部分群と呼ぶこととする.すべての素数Pに対して,Dress p-部分群の位数は素数べきでないと仮定する.この条件はギャップ群となるための必要条件である. 本年度は,このような有限群がギャップ群となるための条件について,次の観点から調査した. ある特別な表現V(G)が,調べるべき部分群の組(P, H)に制限を与えることが知られていた.他の表現でこのような表現が存在しないか考察した結果,部分群の表現から誘導される表現で組(P, H)に制限を与えるものが存在することを示し,ギャップ群になるために調べるべき部分群の組(P, H)が,何であるかを得た.Dress p-部分群がGと一致していないような奇素数がただ1つ存在しているとき,これらの表現達以外は考える必要がないことを得た. ある特別な表現の存在から,Dress p-部分群がGと一致していないような奇素数が2つ以上存在すれば,Gはギャップ群になることが知られている.そこで,Dress p-部分群がGと一致していないような奇素数がただ1つ存在している場合に考察した.この場合,Gがギャップ群でなければ,Sylow 2-部分群の形が決まる.このことを細かく考察することにより,Dress 2-部分群の位数が奇数でなければ,ギャップ群であることを得た.
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