Research Abstract |
鋭角三角形分割に関しては,昨年度までで十分な進展があり,今年度は更に研究を深めるために一般の凸曲面の場合や,一般次元ユークリッド空間等の鋭角三角形分割を考察するための準備を進めた. 正四面体が通る平面上の穴で,直径と幅の可能な限り最も小さい穴を構成した.更に,4次元5次元において,同様の問題を考察し,論文にまとめた(Zamfirescu氏との共同研究).また,穴の形が円と正方形に限る場合の最小の直径を決定する事も出来た. 曲線の全曲率(始点,終点,始方向,終方向と長さを与えたとき、始点と終点を結ぶの全曲率最小の曲線を求める問題)(榎本氏との共同研究)に関しては,昨年度までは,2次元でしか議論が出来なかったが,3次元ユークリッド空間においての,全曲率最小の曲線の候補がおおむね1回か2回の折れ線分であることが概ね分かり,現在,細かいところをチェックしているところで,引き続き研究することが期待される. 昨年度始まった問題として,楕円面上の最小跡は弧となること(清原氏との共同研究)の証明に成功したが,今年度は更に,全ての二次曲面においても同様のことを示した.これは,Liouville曲面といわれる可積分条件をみたす計量を持つ曲面のうちで,ある種の条件を仮定すれば,楕円面と同様に最小跡が弧となることを示すことによって,その応用として得ることが出来た.現在,論文の執筆中であるが,更に,一般次元についても同様の問題を考察することが急務である.この場合は,最小跡は1次元低い円盤と同相であることが予想される.
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