2002 Fiscal Year Annual Research Report
無限領域における波動伝播現象の数値解法の研究とその応用
Project/Area Number |
14540106
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
加古 孝 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (30012488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 大介 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (60251708)
吉田 利信 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (30114341)
牛島 照夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10012410)
水藤 寛 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (10302530)
張 紹良 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20252273)
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Keywords | 外部ヘルムホルツ問題 / 有限要素法 / 固有値変分公式 / ディリクレ・ノイマン写像 / 基本解近似解法 / 音声生成 / 超音波 / 反復解法 |
Research Abstract |
本研究では、無限領域における波動問題の近似解法を開発し、その応用として、音声発生問題の数値シミュレーションに取り組むことを主たる目標としている。具体的には、2次元及び3次元空間内の無限領域における定常波動伝播問題を外部ヘルムホルツ問題として定式化し、有限のところに置いた人工的な境界上のディリクレ・ノイマン写像を用いた非局所境界条件を用いて有限領域における問題に帰着させ、有限要素法により離散化するというタイプの計算手法の開発に重点的に取り組んだ。特に、研究代表者の加古は、大学院生および分担者の小山との共同研究で、新しい近似法の開発とその数理的正当化について成果を得た。また応用面では、音声生成において声道形状の変化と対応する周波数応答曲線の変化を結びつける変分公式を発見し、それを利用した音声生成のシミュレーション手法の開発に取り組んだ。関連して波動型2階発展方程式の数値解法についても研究を進めた。分担者小山は、さらに3次元ヘルムホルツ問題に対する仮想領域法の適用について研究を進め、近似解に対する事前誤差評価式を導出し、一連の数値実験を行ない手法の妥当性を検討した。分担者牛島は、円の外部におけるヘルムホルツ問題の基本解近似解法の数学解析と数値計算を実施し、東京湾内川崎人工島をモデルに水の波の散乱問題への応用を考究した。分担者の水藤は、超音波機器内のインピーダンス整合問題に対する差分法による音場の数値計算を行い、ピラミッド型形状による整合の妥当性の検討を行った。分担者の張は、これらの問題に現われる大規模線形方程式の反復解法について従来の結果の拡張とヘルムホルツ問題への適用に取り組み、いくつかの新たな知見を得た。以上の分担者の研究成果を踏まえ、2月に数名の関連する研究者を加えて密度の濃い研究会を開催し今後の研究方向を定める上で大きな成果を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nasir, H.M., Kako, T., Koyama, D.: "A mixed type finite element approximation for radiation problems using fictitious domain method"Journal of Computational and Applied Mathematics. (掲載予定). (2003)
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[Publications] Chiba, F., Kako, T.: "Newmark's method and discrete energy applied to resistive MHD equation"Vietnam Journal of Mathematics. (掲載予定). (2003)
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[Publications] Kako, T., Nasir, H.M.: "Domain decomposition method applied to a coupling vibration problem between shell and acoustics"Proceeding of the 13th International Conference on Domain Decomposition. 487-493 (2002)
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[Publications] Zhang, S.-L., Nakata, K., Kojima, M.: "Incomplete orthogonalization preconditioners for solving large and dense linear systems which arise from semidefinite programming"Applied Numerical Mathematics. 41. 235-245 (2002)
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[Publications] Ushijima, T.: "Equi-distant collocation method for periodic functions with kernel expression"Proceedings of Fifth China-Japan Joint Seminar on Numerical Mathematics. 220-226 (2002)
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[Publications] Bai, Z.-Z., Zhang, S.-L.: "A regularized conjugate gradient method for symmetric positive definite system of linear equations"Journal of Computational Mathematics. 20・4. 437-448 (2002)