2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540114
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
安芸 重雄 関西大学, 工学部, 教授 (90132696)
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Keywords | 確率母関数 / 条件付き確率 / 離散確率分布 / 離散パターン / 工学的システムの信頼性 / start-up demonstration test / 待ち時間問題 / 幾何分布 |
Research Abstract |
確率変数やランダムな2次元格子などのランダムな構造上に現れる離散パターンの数や待ち時間の確率分布を適切な依存性の下で研究し、以下のような結果を得た。 1.条件付き期待値に関するstepwise smoothing公式を利用して、連の待ち時間の確率母関数を調べ、さまざまな長さの連の待ち時間の分布間の関係を導いた。また、m次マルコフ連鎖による依存系列を考える場合には、長さmの連の待ち時間の分布と長さがmより長い連の待ち時間の分布の間に簡単な関係があることを導き、確率母関数および期待値の関係式を導出した。 2.2次元格子点上の2次元の離散パターンの待ち時間の確率母関数を導くための、「状態」の集合と各状態を条件とする条件付き確率母関数間の関係式を計算機上で自動生成するためのアルゴリズムを開発した。その結果、かなり複雑な離散パターンの待ち時間問題を扱うことができるようになった。 3.与えられた長さの成功連がある試行ではじめて起こり、しかもそれまでの各試行において、常に成功数が失敗数を上回っているという確率を計算した。この確率はstart-up demonstration testにおいて、実際に求めたい確率である。ただ、この問題は、理論的には、単なる有限の長さのパターンの待ち時間の確率ではなく、過去の成功数と失敗数のすべての状態を保持しなければならないという意味で、極めて難しい問題である。この問題に対して、ある種の「打ち切り」のアイデアを導入することにより、stepwise smoothingの方法で解決した。また、この問題の応用として、実際的なstart-up demonstration testにおける統計的推測問題を考察した。
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Research Products
(2 results)