2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540155
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
田辺 正晴 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60272663)
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Keywords | リーマン面 / ホモロジー群 / 正則写像 |
Research Abstract |
以下、リーマン面と言えば種数2以上のコンパクトリーマン面のこととする。(a)二つのリーマン面間の非定値正則写像の数は、有眼である。(b)リーマン面をひとつ固定したとき、そのリーマン面からの非定値正則写像があるようなリーマン面の数は,有限である。 主張(a)、(b)をあわせてde Franchisの定理という。de Franchisの定理について、本研究は、その上界をできればシャープな形であたえようとしてきた。その過程で、二つのコンパクトリーマン面間の非定値正則写像が与えられたとき、それによってホモロジー群間の準同形が自然に得られるが、その形を特徴づけることが出来れば、あるいは、写像の数について良い情報が得られるかも知れないと考えた。この事に関しては、Maretensが90年代初頭に、特に正則写像の位数が素数のときは、基底を適当に取り替える事によって得られるPoincar'e normal formと呼ばれるホモロジー群間の準同形の行列表現が、非常にきれいな形になることを指摘した。そして、この場合にPoincar'e normal formの数は像となるリーマン面の種数以下であることも、併せて指摘、さらに、二つのPoincar'e normal formについては、それをinduceするような、コンパクトリーマン面間の非定値正則写像の実例を与えた。これについて、本研究では、正則写像の位数が素数のときは、Martensが実例を与えた、二つのPoincar'e normal formしか、表現としては起こりえないこと、また、そのうちの一つのnormal formが行列表現になっていることと、写像がnormalかつ非分岐であることとが、必要十分であることを示した。これについては、preprintとして、A homological characterization of surface coveringsにまとめた。しかし、この結果は、ホモロジー群の基底を写像ごとに適当に選べば、ということであり、写像の数について、直接の上界を与えるものではない。
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Research Products
(2 results)