2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540168
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山田 雅博 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (00263666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石渡 哲哉 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (50334917)
愛木 豊彦 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (90231745)
竹内 茂 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30021330)
米田 力生 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (70342475)
下村 哲 広島大学, 教育学部, 助教授 (50294476)
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Keywords | ベルグマン空間 / 積分作用素 / カールソン不等式 / テープリッツ作用素 |
Research Abstract |
与えられた複素n-次元領域において,p-乗可積分である正則関数によって作られるバナッハ空間をベルグマン空間という。本研究の目的は,このベルグマン空間上で定義されたテープリッツ作用素と呼ばれる積分作用素の性質を解析することである。一般に,ベルグマン空間上のテープリッツ作用素は,複素数値ボレル測度を用いて定義される。複素数値ボレル測度をミューと呼ぶとき,それによって定義されるテープリッツ作用素を「ミューをシンボルにもつテープリッツ作用素」と呼ぶことにする。積分作用素の性質の中で特に興味を持たれる事柄は,その作用素がいつ有界,コンパクト,あるいは可逆となるかを知ることである。これらの問題は,ヒステリシス作用素を用いて表現される3次元形状記憶合金問題の解の存在,及び一意性にも関連し,それらをエネルギー法を用いて証明した。また,ヒステリシス現象を数学的に記述するアイデアの一つであるThe Duhem Modelを改良しより現実的な問題を扱えるようにした。その改良されたThe Duhem modelを強磁性体からなる多層問題に適用した数学モデルを提唱し,そのシステムの適切性を示した。 また,$\alpha$--ベルグマン空間という新たな概念が提示され,通常のベルグマン空間を放物型作用素の解空間の一種と見なし,より統一的にベルグマン空間を研究するという方向が示された。本研究では,$\alpha$--ベルグマン空間上のカールソン不等式を考察し,カールソン不等式が成立するための特徴付けを行った。この特徴付けは,ある種の微分方程式の基本解をもとに構成した再生核を用いて行った。また,その際に必要十分条件を記述するため,$\alpha$--カールソンボックスという概念を導入し,再生核の境界挙動や評価を行い,その性質を明らかにした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Yamada, Masahiro: "Inequalities on derivatives of harmonic Bergman functions"Scientiae Mathematicae Japonicae Online. Vol.9. 111-118 (2003)
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[Publications] Nishio Masaharu, Yamada, Masahiro: "Carleson type measures on parabolic Bergman spaces"(preprint).
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[Publications] Aiki, Toyohiko: "One-dimensional shape memory alloy problems including a hysteresis operator"Funkcialaj Ekvaccioj. Vol.46. 441-469 (2003)
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[Publications] Ishiwata Testuya, Yazaki Shigetoshi: "On the blow-up rate for fast blow-up solutions arising in an anisotropic crystalline motion"Journal of Computational and Applied Mathematics. 159. 55-64 (2003)
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[Publications] 石渡 哲哉, 長山 雅晴, 池田 勉, 大柳 満之: "燃焼合成反応への数理的アプローチ"京都大学数理解析研究所講究録「発展方程式の展開と非線型問題への接近法」. (掲載予定).
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[Publications] 石渡 哲哉, 矢崎 成俊: "The notes on a fast blow-up solution arising in an anisotropic crystalline motion (結晶界面運動に現れる速い縮退解について)"京都大学数理解析研究所講究録. No.1313. 86-98 (2003)
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[Publications] Mizuta, Yoshihiro, Shimomura, Testu: "On semi-fine limits at infinity for Riesz potentials and monotone BLD functions"Potential Anal.. 19. 365-381 (2003)
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[Publications] Mizuta, Yoshihiro, Shimomura, Testu: "Growth properties for modified Poisson integrals in a half space"Pacific J.Math. (to appear).