2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540174
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
橋本 隆司 鳥取大学, 工学部, 助教授 (90263491)
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Keywords | 一般線形群 / 旗多様体 / 球部分群 / Bruhat-Chevalley order / weak order / non-closed minimal orbit |
Research Abstract |
任意の体上のn次の一般線型群GL(n)をG_nと記し,G_{n-1}を自然にG_nに埋め込み,G_nのBorel部分群をB_rとおく.G_nの有限次元既約表現は,最高ウェイトにより決定され,G_nからG_{n-1}への分岐則は,Weylの指標公式により,最高ウェイトの言葉を用いて述べることができる.一方,Howeが指摘したように,この分岐則はmultiplicity-free G_{n-1}xG_{n-1}-空間上の正則函数のなす空間に現れるB_{n-1}xB_{n-1}-ウェイト函数のウェイト・パターンによる記述が可能である. そこで本研究の目的は,G_nの既約表現で,一般には無限次元であるnon-unitary主系列表現を,G_{n-1}に制限したときの分岐則を記述することである.G_nの主系列表現は,B_nの1次元表現からの誘導表現として実現されるので,主系列表現の分岐則を調べるには,G_n/B_n上のB_{n-1}-軌道の閉包関係を記述せねばならない. 本年度は,昨年度に引き続いて,G_n/B_n上のB_{n-1}-軌道のBruhat-Chevalley orderの組合せ論的記述に主眼を置いて研究した. 昨年度までの研究において,対称多様体の場合とは異なり,weak orderに関して極小であるが閉集合でない軌道が存在すること,したがって,すべてのBruhat-Chevalley orderを記述するには,片側からのweak orderだけを考えるのではなく,両側からのweak orderを考えなければならないという予想を得ていたが,本年度の研究によりこの予想が正しい,すなわち,両側からのweak orderによりBruhat-Chevalley orderが生成されることの証明を得た.これによりA型の場合のBruhat-Chevalley orderの組合せ論的記述が完成する.
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