2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540180
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
内山 充 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60112273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸崎 秀樹 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (20186612)
原 卓哉 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (50263984)
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Keywords | ヒルベルト空間 / 線形作用素 / 半正定値作用素 / 作用素単調関数 / majorization / 直行多項式系 |
Research Abstract |
大きく分けて二つの分野について成果があった。ひとつは、凸関数fにより行列Xの関数f(X)を構成したとき、その固有値は数値凸関数と同じように分布されることを示した。この結果は論文"Subadditivity of Eigenvalue Sums"として纏められ、Proceeding of American Mathematical Societyに受理された。この中で使われているアイデアは新しく、そのアイデアを使い、高名なAndo-Zhanの定理を簡単に示しただけではなく、多くの本に記載されている重要な定理を大幅に拡張した。 もうひとつは、作用素単調関数についてである。作用素単調関数の逆関数全体を考えると、集合として極めて有効な性質を持っていることを発見し、それを用いると作用素不等式が簡単に構成できることを示した。内容をもう少し詳しく説明する。まず、上記の集合は関数の積によって閉じていること、作用素単調関数をかけても不変であることを示した。そして、二つの多項式を考えたとき、それらの零点の間に古典的なMajorizationの関係があれば、一方の多項式と作用素単調関数の合成関数として他方の多項式を表すことができることを示した。この手法によって、古田不等式を具体的に拡張することができたのみならず、理論的に大幅に一般化した。 この結果は現在論文として纏めているが、一部は平成16年9月北海道大学における日本数学会特別講演で紹介した。また、これに関しては、平成16年8月アイルランドのダブリンで開かれた研究集会に参加して研究者と研究経過について話し合った。
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Research Products
(4 results)