2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540191
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
林田 和也 福井工業大学, 工学部, 教授 (70023588)
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Keywords | 平均曲率方程式 / Dirichlet問題 / 急速拡散 / 非特性Cauchy問題 |
Research Abstract |
平均曲率方程式のDirichlet問題の解の存在については、1969年のJ.Serrinの業績に始まり1980年代の中頃までに多くの人達によって肯定的な結果が得られた。これらの結果には、考えている領域の境界にある種の凸性、すなわち「H-凸性」が仮定されている。研究代表者は4年前、次ぎの論文(共著)において「H-凸性」がなくてもある程度肯定的な結果が得られることを発表していた:K.Hayasida and M.Nakatani, On the Dirichledt problem of prescribed mean curvature equation without H-convexity condition, Nagoya Math.J.,157(2000),177-209. 今回、この結果を研究代表者は非定常の場合に拡張することが出来た。この結果の論文(共著)は次ぎの形で間もなく発表される予定である(掲載決定:2004.12.16):K.Hayasida and Y.Ikeda, J.Math.Soc.Japan,56(2004) 次に熱方程式の非適切Cauchy問題の評価式については、1964年のJ.R.Cannonの業績に始まり、幾多の人達によって肯定的な結果が得られた。ここで本質的なことは方程式の主要部が線形であることである。しかしそれが非線形の場合にはどうなるか。研究代表者は8年前、次ぎの論文(共著)において退化準線形放物型方程式の一種である急速拡散方程式の非負値解について非適切Cauchy問題の評価式を導出した:K.Hayasida and Y.Yamashiro, An ill-posed problem of positive solutions of degenerate nolinear parabolic equations, Tokyo J.Math.,19(1996),331-352 非負値性は物理的に意味のある仮定であったが、数学的に整合性のあるものとして研究代表者は今回、解の非負値性の仮定を除去する試みをした。結果として非適切Cauchy問題の評価式の導出までは至らなかったが、それの弱い形としての非特性Cauchy問題の解一意性を証明することは出来た。この結果の論文は次ぎの形で発表した:K.Hayasida, TSUKUBA J.Math.,27(2003),175-187
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 林田和也, 池田義昭: "Dirichlet problem for evolutionary surfaces of prescribed mean curvature in a non-convex domain"Journal of Mathematical Society of Japan. 56巻(掲載決定 2003.12.16). (2004)
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[Publications] 林田和也: "Unique continuation for fast diffusion"TSUKUBA Journal of Mathematics. 27巻1号. 175-187 (2003)
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[Publications] 林田和也, 小林正朋: "On L^p regularity for weak derivatives of spherically symmetric solutions of the porous media equation"Funkcialaj Ekvacioj. 45巻1号. 23-51 (2002)