2002 Fiscal Year Annual Research Report
ダストスペクトルモデルを用いた形成期の銀河と宇宙の星形成史の研究
Project/Area Number |
14540220
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
花見 仁史 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (00212150)
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Keywords | ダスト / 減光 / 爆発的星形成 / 赤外線 / サブミリ波 / UV光 / 銀河形成 |
Research Abstract |
我々は、爆発的星形成領域からのUVからサブミリ波にわたるスペクトルエネルギー分布(SED)を再現するモデルを開発した。我々の爆発的星形成領域モデルでは、ダスト量は、形成された大質量星からの重元素放出に伴う化学進化過程として算出されるので、観測の光学的厚さから、撮像とは独立に、爆発的星形成領域の広がりが決定できる。近傍の爆発的星形成銀河の既存の観測データを解析すると、0)SED解析から決定した爆発的星形成領域の広がりは、撮像による決定した広がりをよく再現した。これにより、SED解析をすることにより、星形成率面密度も出すことが可能になった。これから、近傍銀河の星形成には、2つの異なったモードがあることがわかった。1)円盤銀河やUVSBGsの穏やかな星形成モードでは、星形成率面密度が【similar or equal】10^<12>L【of sun】kpc^<-2>とほぼ一定になっている。これは、回転ガス円盤の重力不安定による密度集中と星形成とその後の超新星爆発からのフィードバックによる密度拡散との拮抗によりよく説明される。さらに、2)ULIRGsの星形成率面密度は、これより、よりも1桁程度大きいことが明らかとなった。これはK-bandの有効半径で比較的コンパクトな【similar or equal】0.3kpc程度のものになっているとのHST/NICMOSの観測報告を合わせて考えると、外部から動的擾乱がその星形成のトリガー機構として考えられ、それが星形成の増幅と連動していると考えられる。これは、Mon.Not.R.Astron.Soc. (2003),340,813に発表した。 一方、原始銀河候補天体としては、Ly-Break銀河(LBGs)、Extreme Red Ojects (EROs),(Radio-selected)SCUBA銀河、などがある。特に、赤外、サブミリ波越で明るい後者に同様のSED解析を行った。これらの銀河では、この観測された段階でほとんどの星が形成されたとすると、近傍の楕円銀河の色一等級関係を再現する。一方、光学的厚さからは、それらの星形成領域は高密度で分裂していて、その星形成終了後、凝集して、力学的に緩和したことも解析から示唆された。これらについては、欧文報告論文として現在投稿中である。
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Research Products
(1 results)