2003 Fiscal Year Annual Research Report
太陽フレア発生機構の解明とガンマ線バーストへの応用
Project/Area Number |
14540226
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
柴田 一成 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70144178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 大作 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20332728)
北井 礼三郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40169850)
黒河 宏企 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80135508)
嶺重 慎 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (70229780)
横山 央明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00311184)
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Keywords | フレア / ガンマ線バースト / 磁気リコネクション / ジェット / プラズモイド / 電磁流体力学 / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究は、太陽フレアにおける磁気リコネクションのエネルギー解放機構や付随して起こる質量放出・粒子加速機構などの謎を明らかにすることにより、太陽フレアの発生機構を解明し、そこで得られた知見を太陽以外の天体フレア現象、とくに、ガンマ線バーストに応用することを目的とした。得られた主要な成果は次の通り。1)フレア硬X線バーストにともなう下降流を発見した(Asai et al.2004)。下降流の速度は数100km/sで、上方に噴出するプラズモイドの速度と同程度である。また、下降流は間欠的に何度も起こり、そのつど、硬X線バーストが発生している。このことから、下降流はリコネクションにともなうアウトフロー(一種のプラズモイド噴出)であると考えられ、これらの観測は、間欠的なプラズモイド噴出にともなって速いリコネクションが起こり、同時に高エネルギー電子が効率良く加速される、というShibataらのplasmoid-induced-reconnectionモデルにより良く説明できる。類似の間欠的な質量(ジェット)噴出とそれにともなう粒子加速は、ガンマ線バーストでも起きていると考えられ、我々ばガンマ線バーストのflare/CME modelを提唱した(Shibata and Aoki 2003)。2)ガンマ線バーストの中心エンジンのモデルとして、Collapsarの一般相対論的電磁流体数値シミュレーションを世界で初めて行った(Mizuno et al., 2004)。Collapsarによって発生するジェットの速度は0.3C程度で、通常のガンマ線バーストに適用するにば遅すぎるが、最近発見されたfailed gamma ray burstに適用できることが判明した。3)その他:太陽フレア・モデルを原始星フレアに応用し(Isobe et al.2003)、太陽フレアにおけるリコネクション・インフローのMHDシミュレーションに成功した(Chen et al.2004)。
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[Publications] Isobe, H., Shibata, K., Yokoyama, T., Imanishi, K.: "Hydrodynamic Modeling of a Flare Loop Connecting the Accretion Disk and Central Core of Young Stellar Objects"Publications of Astronomical Society of Japan. Vol.55. 967-980 (2003)
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[Publications] P.F.Chen, K.Shibata, D.H.Brooks, H.Isobe: "A Reexamination of the Evidence for Reconnection Inflow"Astrophysical Journal Letter. Vol.602. L61-L64 (2004)
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[Publications] Mizuno, Y., Yamada, S., Koide, S., Shibata, K.: "General Relativistic Magnetohydrodynamic Simulations of Collapsars"Astrophysical Journal. (In press). (2004)
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[Publications] Asai, A., Yokoyama, T., Shimojo, M., Shibata, K.: "Downflow Motions Associated with Impulsive Nonthermal Emissions Observed in the 2002 July 23 Solar Flare"Astrophysical Journal Letter. Vol.607. L67-L70 (2004)
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[Publications] Kato, Y., Mineshige, S., Shibata, K.: "Magnetohydrodynamical Accretion Flows : Formation of Magnetic Tower Jet and Subsequent Quasi-Steady State"Astrophysical Journal. (In press). (2004)
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[Publications] Narukage, N., Morimoto, T., Kadota, M., Kitai, R., Shibata, K.: "X-ray Expanding Features Associated With Moreton Wave"Publications of Astronomical Society of Japan. (In press). (2004)
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[Publications] 柴田一成, 大山真満: "写真集 太陽 -身近な恒星の最新像-"裳華房. 87 (2004)