2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540245
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川崎 雅裕 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50202031)
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Keywords | 宇宙論 / バリオン数生成 / 超対称性 / 素粒子的宇宙論 |
Research Abstract |
超対称性理論に基づくバリオン生成機構として有望視されているアフレック・ダイン機構のダイナミックスを有限温度の効果を取り入れて調べた。特に、ゲージ場が超対称性の破れを媒介するモデルにおいては、有限温度の効果によってアフレック・ダイン場のポテンシャルの形は大きな変更を伴い、場の期待値が大きなところでポテンシャルが極小になる場合があり、アフレック・ダイン場のダイナミックスは非常に複雑になる。さらに、近年アフレック・ダイン場の宇宙論的進化においてQボールと呼ばれるソリトンが作られ、バリオン数生成に大きな影響を与えることがることが明らかになっている。したがって、今年度はこのような場合のアフレック・ダイン場のダイナミックスとその結果生成されるバリオン数に関する系統的な解析を行った。その結果、有限温度とQボールの生成のためアフレック・ダイン機構によるバリオン数生成は阻害されるが、宇宙のバリオン数を説明できる理論パラメターが存在することが分かった。また、この研究に関連して一般のスカラー場がコヒーレントな振動を行う場合、その系の断熱不変性のために「I-ball」と呼ばれる球状の準安定なスカラー場の凝縮が生成されることを発見した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Fukugita, M.Kawasaki: "Constraints on the Star Formation Rate from Supernova Relic Neutrino Observations"Monthlt Notice of the Royal Astronomical Society. (印刷中). (2003)
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[Publications] S.Kasuya, M.Kawasaki, F.Takahashi: "I-balls"Physics Letters B. (印刷中). (2003)
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[Publications] K.Ichikawa, M.Kawasaki: "Remarks on the Cosmic Density of Degenerate Neutrinos"Physical Review D. (印刷中). (2003)
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[Publications] S.Kasuya, M.Kawasaki, F.Takahashi: "Moduli Problem and Baryogenesis in Gauge-mediated SUSY Breaking Models"Physical Review D. 65. 063509-1-063509-12 (2002)
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[Publications] K.Ichikawa, M.Kawasaki: "Constraining the variation of the coupling constants with big bang nucleosynthesis"Physical Review D. 65. 123511-1-123511-7 (2002)