2003 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーガンマ線検出のためのチェレンコフ望遠鏡のオートメーション・IT化の研究
Project/Area Number |
14540247
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎本 良治 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (80183755)
|
Keywords | カンガルー計画 / チェレンコフ望遠鏡 / 高速ネットワーク / オートメーション / IT / 砂漠地帯 |
Research Abstract |
カンガルー計画においては現時点で南オールトラリアのウーメラにおいて計4台の大型チェレンコフ望遠鏡が稼動し始めた。各望遠鏡の口径は10mであり、同規模のチェレンコフ望遠鏡はアフリカに1台、北半球に2台あり、これにより全天をカヴァーしつつある。 現場は砂漠地帯であり、電話と電気があることのほかは、水もなく、また高速ネットワーク(ADSLなど)もない。このような状況のもと観測シフトには4人の科学者を毎月派遣している。ほぼ一人が1台の望遠鏡のオペレーションにかかわっている状況である。これによる支出は年間1000万円を超え、今後の運営に重大な問題を残している。 今回の科研費によりこの人員をすこしでも削れるようにオートメーション化の一部を施した。具体的には観測所内におけるネットワークを駆使し、手動であった装置を計算機コントロールできるような変更をほどこした。また、無線設備を駆使することにより望遠鏡間(100m)の配線も最小限にした。 柏キャンパスにおいて観測コントロールプログラムの最適化を検討したが、やはり電話による日本からのコントロールには転送速度限界による無理があり、またこれを衛星回線にしても、まだ厳しいとの結果が得られた。また衛星回線による設備投資、運営費用も見積もられ、採算性に問題があることがわかった。最低ADSLなどの高速回線を15km先のウーメラ村まで開通させることが先決でありこれからオーストラリア側とも交渉していく必要がありそうである。すくなくともウーメラまで回線がくれば、そこから観測サイトまでは無線でつなげられる。 以上の研究により今後の望遠鏡運営が3人で行えるとの見通しはついた。今後の課題としてウーメラまでの高速回線をなんとかするのが最重要課題であり、これは科研費の範囲を超えているので、今後は違う形での研究を推し進めていかねばならない。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] C.Itoh, R.Enomoto, et al.: "Evidence of TeV gamma-ray emission from the nearby starburst galaxy NGC 253"Astronomy and Astrophysics. 402. 443-445 (2003)
-
[Publications] R.Enomoto et al.: "A search for TeV gamma rays from SN 1987A in 2001"The Astrophysical Journal. 591. L25-L28 (2003)
-
[Publications] R.Enomoto, T.Yoshida, S.Yanagita, C.Itoh: "Constraint on cold dark matter in the gamma-ray halo of NGC 253"The Astrophysical Journal. 596. 216-219 (2003)
-
[Publications] S.Kabuki et al.: "Development of an atmospheric Cherenkov imaging camera for the CANGAROO-III experiment"Nuclear Instrument and Method. A500. 318-336 (2003)
-
[Publications] R.Enomoto, M.Mori, S.Yanagita: "The universe viewed in gamma-rays"Universal Academy Press, INC.. 623 (2003)