2003 Fiscal Year Annual Research Report
暗黒物質の直接検証等精密実験の超対称模型へのインパクト
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14540260
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野尻 美保子 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (30222201)
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Keywords | 超対称性 / ダークマター |
Research Abstract |
暗黒物質の探索は現在の素粒子物理において主要な課題の一つであり、シグナルと関係する暗黒物質の相互作用確率の計算等をおこなっている。今年度は特にコライダー等で直接探索不可能なTeVスケールでの暗黒物質のシグナルについて集中して研究を行い結果をPhysical Review Letterに発表した。 TeV scaleの暗黒物質の候補として、対消滅確率の比較的大きいWino (w bosonの超対称粒子)Higgsino (Higgs bosonの超対称粒子)からなる暗黒物質chiがあげられる。これらはW粒子に対消滅する相互作用確率が大きいため、暗黒物質候補となるためには質量が大きい必要があるが、このような場合には直接探索、間接探索でのシグナルレートが低く探索が難しいと考えられていた。 われわれはこの粒子が光子2つに対消滅する過程をしらべた。この対消滅過程は1loop以上から重要になるが、W bosonの多重交換が可能になることで対消滅確率が非常に大きくなる場合があることを発見した。これは「zero energy resonance」という量子力学的現象に対応するもので、この現象がおこる場合には、TeV領域のdark matterであっても現在存在するエアチェレンコフ観測装置などで、暗黒物質の探索がおこなえることをしめした。 この他にも超対称模型のパラメーター決定について研究をおこない数編の論文を書いた。このような研究は暗黒物質の質量、相互作用を決定して、暗黒物質探索のシグナルレートを決定する上で重要である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K Desch et al.: "SUSY Parameter Determination in Combined analyses at LHC/LC"JHEP. 0402. 035 (2004)
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[Publications] Kawagoe et al.: "Study of the gauge mediation signal with nonpointing photons at the CERN LHC"Physical Review. D69. 035003 (2004)
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[Publications] J.Hisano, S.Matsumoto, M.M.NOJIRI: "Explosive Dark Matter Annihilation"Physical Review Letters. 92. 031303 (2004)
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[Publications] J.Hisano, K.Kawagoe, M.M.Nojiri: "A Detailed Study of the Gluino Decay into the Third Generation Squarks at the CERN LHC"Physical Review. D68. 035007 (2003)
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[Publications] J.Hisano, S.Matsumoto, Mihoko M.NOJIRI: "Unitarity and Higher-Order Corrections in Neutralino Dark Matter Annihilation into Two Photons"Physical Review. D67. 075014 (2003)