2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540265
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
窪田 高弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80161678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲見 武夫 中央大学, 理工学部, 教授 (20012487)
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Keywords | 初期宇宙 / 宇宙磁場 / D-brane / WZWモデル / 非可換空間 / 非可換場の理論 / 非線形シグマ模型 / ソリトン |
Research Abstract |
Einsteinの重力理論とWeinberg-Salam模型が結合した系では、空間が3次元球とすると、今まで知られていなかった新しいゲージ場の配位が可能である。この配位は、通常の真空とは異なり、SU(2)_Lのゲージ場とHiggs場が非自明な巻きつき方をしている。宇宙が膨張していくに従ってポテンシャルの形が変化していくので、この新しい配位も最終的にはなくなり、場の古典的な値も時間的に推移していく。我々はこの時間発展を計算機を用いて詳細に調べた。初期宇宙のかなり長い時期に渡って、宇宙空間に磁場が存在しうることが示された。 D-braneはここ数年の超弦理論の中心的なテーマであり、その数学的取り扱いや、物理的な意味付けが重要な問題である。coset modelの上でのD-braneに幾何学的な意味を与えるために、gauged WZWモデルの研究が進行中である。われわれはこのモデルで弦の首尾一貫した記述をおこなうための境界条件、gluing conditionの提案をおこなった。 弦理論から出発すると、空間の座標x^μは単なる数ではなく、互いに非可換な量になるという、斬新な考え方に行き着く事が最近分かってきた。この時には、素粒子を記述する場の理論も"非可換空間"の上で定義され、"非可換場の理論"が導かれる。我々は、非可換場の非摂動的な性質に焦点を当てて研究を先に進めた。特に、低次元(d=2+1)の非可換スカラー場の理論におけるソリトンの性質を調べた。3次元の"非線形シグマ模型"を非可換場の理論へ拡張し、ソリトン解の構成、"モジュライ"の性質、ソリトンの低エネルギー散乱というテーマに関して、いくつか新しい結果を導いた。場の理論におけるdualityでは、ソリトンが鍵となるので、いろいろな場の理論におけるソリトンの性質を研究することは大事である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Emoto, Y.Hosotani, T.Kubota: "Cosmology in the Einstein-Electroweak Theory and Magnetic Fields"Progress of Theoretical Physics. 108. 157-183 (2002)
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[Publications] T.Kubota, J.Rassmussen M.A.Walton, J-G Ihou: "Maximally Symmetric D-branes in Gauged WZW Models"Physics Letters B. 544. 192-198 (2002)
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[Publications] Y.Hosotani, H.Emoto, T.Kubota: "Cosmic Solutions in the Einstein,-Weinberg-Salam Theory and the Generation of Lange Magnetic Fields"Proceedings of the 31st International Conf. on High Energy Physics. (2003)
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[Publications] K.Furuta, T.Inami, H.Nakajima, M.Yamamoto: "Low Energy Dynamics of Noncommutative CP^1 Solution in 2+1 Dimensions"Physics Letters B. 537. 165-172 (2002)
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[Publications] K.Furuta, T.Inami, H.Nakajima, M.Yamamoto: "Non BPS Solutions of Noncommutative CP^1 Model in 2+1 Dimensions"Journal of High Energy Physics. 0208. 009-018 (2002)
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[Publications] T.Inami: "Topics in Nonlinear Sigma Models in D=3"Proceedings of the Workshop on Integrable Field Theories, Solitons and Duality. (2002)