2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540265
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
窪田 高弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80161678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲見 武夫 中央大学, 理工学部, 教授 (20012487)
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Keywords | anomaly mediation / supersymmetry breaking / slepton / neutrino / radiative correction / beta decay / noncommutative geometry / sigma model |
Research Abstract |
窪田は西原とともに,anomaly mediationと呼ばれる超対称性の破れの機構を研究し,この機構が内蔵するtachyonic slepton問題の解決方法を考察した。超重力理論はsuper-Weyl-Kaehler対称性を有するが,アノマリーによってこの対称性はこわれ,hidden sectorにおける超対称性の破れがvisible sectorに伝播する。その際,通常はsuper-Weyl変換の関与する部分のみの効果が考察されてきたが,窪田と西原はさらに加えてKaehler変換に関与する部分まで考慮し,tachyonic slepton問題の解決を試みた。 窪田は福來とともに,KamLAND実験でのニュートリノ反応に対する輻射補正の計算を行った。従来ベクトル・カレントの寄与については,強い相互作用の影響を考慮した信頼度の高い計算が可能であったが、窪田と福來は軸性カレントの寄与についても,PCACとカレント代数を用いて強い相互作用を取り入れた計算が可能であることを示し,ガモフ・テラー遷移での輻射補正研究の新しい局面を開いた。開発した計算技術を,従来等閑にされてきた中性子崩壊における非対称パラメータに対する輻射補正の計算にも適用した。 超弦理論における最近の発展は,空間座標を非可換量とする,いわゆる非可換な場の理論を取り入れることにある。また一方で,新しいタイプの超空間と新しい超対称性(N=1/2 超対称性)も導かれた。この超空間は非可換超空間とよばれ,非可換超空間上の場の理論が中心課題となる。稲見は中島とともに,CP(n)シグマ模型の非可換空間への拡張を行い,新しいタイプのシグマ模型を構成した。また稲見,Chu,古田の三人は,スカラー場の理論の摂動論に基づいて非可換場の理論における因果律を研究し,光円錐が修正を受けることを示した。
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