2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540294
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉岡 大二郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30114713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 尚和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40302385)
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Keywords | 2次元電子系 / 強磁場 / 量子ホール効果 / 2層量子ホール系 / 密度波状態 / ペア状態 |
Research Abstract |
今年度は密度行列繰り込み群法の2層系への拡張は開発中であるため、厳密対角化法を用いて、基底状態及び、低エネルギー励起状態の研究を行った。 1.2層あわせての占有率が整数の場合には層の自由度を擬スピンで表した場合に、2層のランダウ量子数が等しい場合にはXY模型的な振る舞いをすることが知られていたが、一方、ランダウ量子数が異なる場合にはイジング模型的な振る舞いをする。後者の場合に、層間距離、層間トンネリングの関数として基底状態がどのように移り変わるかを調べ、相図を得た。層間距離がある程度大きい場合には密度波状態が出現すること。その場合2層での密度波の相互の位相関係に2通りの場合があることを厳密対角化法で初めて明らかにし、更に平均場近似法でも確認した。 2.2層合わせての占有率が1/2の場合には、層間距離が小さい場合に、トンネリングが小さければHalperinの(3,3,1)状態が実現し、大きい場合にはMoore-ReadのPfaffian状態が実現することが予測されていた。厳密対角化法によりこの予測を確かめ、この間の基底状態の変化が連続的であることを明らかにした。さらに、低エネルギーの励起状態の研究を行い、最低エネルギーの励起状態はトンネリングの強さを変化させたときに不連続な変化をする事を明らかにした。この結果、励起エネルギーはピークを示すことになるが、このピークは実験的にはすでに知られていたが、理論的な説明が不明であったものであり、本研究でその原因を明らかにすることができた。
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Research Products
(1 results)