2003 Fiscal Year Annual Research Report
量子磁性細線における電子輸送現象への磁壁の影響に関する理論的研究
Project/Area Number |
14540313
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Research Institution | ANAN NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
中村 厚信 阿南工業高等専門学校, 一般教科, 教授 (00217829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々山 信二 山形大学, 教育学部, 助教授 (50221487)
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Keywords | 磁性細線 / 磁壁 / スピン励起スペクトル / コンダクタンス / 原子架橋 |
Research Abstract |
ナノメートルサイズの磁性細線やSTM先端チップを対象に、微小な領域に磁壁が生じた場合の磁壁近傍でのスピン揺らぎの動的な効果について研究を行った。さらに量子スピン系の素励起と電子の輸送係数に対する影響に的を絞り、(1)磁性細線中に生じた磁壁に起因した素励起の磁気抵抗への影響及び、(2)磁性原子で構成されたSTM端子先端の原子架橋におけるスピン揺らぎの影響を中心に理論的な研究を行った。 平成14年度は、先ず量子スピン系に対し乱雑位相近似(RPA)を適用して、動的帯磁率の表式を導いた後、それを数値的に求めるための基本プログラムの開発を主に行い、動的帯磁率から求まる励起スペクトルに対し、サイト数、異方性エネルギーその他のパラメータや、細線の形状などがどのような影響を与えるのかという点に焦点を当てて解析を行った。得られた結果は日本物理学会第58回年次大会において「強磁性ナノワイヤにおけるスピン揺らぎの励起スペクトル」という題目で発表し、論文として発表した。 平成15年度は、STM端子先端の原子架橋におけるスピン揺らぎの影響を中心に研究を行った。チップが上下に分離していくと磁壁の存在によりスピン波励起のギャップ中に発生した励起は消滅してしまうことなどを含め、日本物理学会の秋季大会と第59回年次大会において「強磁性ナノコンタクトにおけるスピン揺らぎと磁壁の効果」および「強磁性ナノコンタクトにおけるスピン揺らぎへの磁壁の影響」という題目で発表を行った。なおその結果は現在、論文として発表準備を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shinji Nonoyama: "Quantum railroads and directed localization at the juncture of quantum Hall systems"Physical Review B. Vol.66. 155334-1-155334-6 (2002)
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[Publications] Shinji Nonoyama: "Explanation of the tunneling phenomena between the edges of two lateral quantum Hall systems"Physica E. Vol.18. 120-121 (2003)
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[Publications] Shinji Nonoyama: "Resonant Reflections in a Particle Conducting through a Normal-Conductor-Superconductor Interface in Magnetic Fields"International Journal of Modern Physics B. Vol.17. 2863-2881 (2003)
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[Publications] Atsunobu Nakamura: "Effects of domain wall and pinning center on electron transport in ferromagnetic wire"Physics Letters A. Vol.324. 51-55 (2004)