2002 Fiscal Year Annual Research Report
重い電子系Ce(Ir,Rh)In_5における超伝導と反強磁性の共存に関する研究
Project/Area Number |
14540338
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鄭 国慶 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (50231444)
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Keywords | 重い電子系 / 超伝導 / 磁性 / 核磁気共鳴 / 高圧 |
Research Abstract |
最近CeMIn_5(M=Ir, Co, Rh)という一群の重い電子系化合物が発見された。CeIrIn_5とCeCoIn_5はそれぞれ転移温度T_c=400mKと2.3Kの超伝導体である。また、CeRhIn_5は常圧下でネール温度T_N=3.7Kの反強磁性体であるが、1.7GPa以上の高圧下ではT_c=2.1Kの超伝導体に変わる。さらに、Irの一部をRhで置換したCe(Ir_<1-x>Rh_x)In_5では、x=0.5でT_cが倍以上も上昇し、しかも、広いIr濃度にわたって超伝導は反強磁性秩序と共存する。 本研究の目的は、Ce(Ir_<1-x>Rh_x)In_5における超伝導と反強磁性秩序がどのような形式で共存するか、また、CeRhIn_5においては臨界圧付近の高圧下で磁性と超伝導がどのように関わりを持つかを核磁気共鳴法で調べることである。 初年度は高圧下でCeRhIn_5について測定を行った。その結果、1.6Gpa〜1.9Gpaの間で超伝導と反強磁性秩序が均一に共存することがわかった。この圧力領域では、Ce電子に起因する磁気モーメントが常圧下のものと比べてかなり減少していることが示唆された。また、超伝導転移温度以下では、1/T1(スピン格子緩和率)にHebel-Slichterピークが見られず、異方的な超伝導状態が実現していると考えられる。 さらに、Ce(Ir_<1-x>Rh_x)In_5において、Ir濃度の増加とともに、ネール温度が一旦上昇し、x>0.5以上では急激に減少することを見い出した。ネール温度以下におけるこの系の性質については現在研究中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Mito: "Coexistence of Antiferromagnetism and Superconductivity near the Quantum Criticality of the Heavy-Fermion Compound CeRhIn5"Phys.Rev.Lett.. 90. 077004(1)-077004(4) (2003)
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[Publications] G.-q.Zheng: "Magnetism and superconductivity in CeRhIn5 under chemical and hydrostatic pressures"Physica B. (印刷中). (2003)
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[Publications] N.Yamaguchi: "Effect of Chemical Pressure on the Antiferromagnetic order in heavy electron system CeRhIn5"Physica B. (印刷中). (2003)
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[Publications] G.-q.Zheng: "Unconventional superconductivity and quasi-2D magnetic fluctuations in Ce(Ir,Rh)In5"Acta Phys.Polonica B. (印刷中). (2003)