2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540354
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
尾関 之康 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (70214137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 伸康 国立大学法人東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70211745)
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Keywords | 非平衡緩和法 / KT転移 / 臨界指数 / 一次相転移 / フラストレーション / ランダム系 |
Research Abstract |
非平衡緩和法は平衡相転移を研究する数値解析法である。これまでの研究で、2次相転移において転移温度と臨界指数を精度良く容易に求められることが示されていた。平衡解析では実現不可能な大きなサイズの系で信頼度の高い結果を得ることができる。また、フラストレーション系やランダム系など緩和の遅い系においても、効率や信頼度を損なうことなく適用可能なのも大きな特徴となっている。本研究の目的は、この方法を2次相転移を越えて、様々な相転移へ応用することである。特にKosterlitz-Thouless(KT)転移系は、低温相で常に臨界的な振る舞いが現れ、2次相転移で用いられているような通常の数値解析法が十分に機能せず、満足のいく結果を得るのが難しかった。 前年度までにKT転移の転移温度の汎用な評価法を確立し、2次元剛体円盤系を初めとする様々なKT転移系への応用を果たした。さらにKT転移系の臨界指数評価法を確立し、KT転移の臨界指数を系統的に調べることを可能にした。また、一次相転移の正確な転移温度の評価するmixed phase initializaion法も確立した。 本年度は、代表的なKT転移膜型である2次元のVillain模型について、連続系と6回対称模型について解析を行い、転移温度を求めてKT転移系の普遍性の解明へ大きく前進した。 また、多粒子系への応用として、3次元の異方的剛体系を解析し、液晶相の一つであるスメクティック相を確認し、非平衡緩和解析の有効性を確認した。
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