2002 Fiscal Year Annual Research Report
1次元競合量子スピン系におけるカイラル秩序相の研究
Project/Area Number |
14540358
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鏑木 誠 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (40093504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
康 敏 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (60290425)
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Keywords | 低次元量子スピン系 / カイラル相 / 競合スピン系 / 計算物性物理 / DMRG |
Research Abstract |
我々は、競合する第1近接(J1)および第2近接(J2)相互作用を持つ1次元S=1XXZ量子スピン系のHeisenberg領域およびXY領域(における基底状態を調べ、XY領域のJ2/J1が大きい所で、古典的なヘリカル秩序は無く、隣接スピン間のカイラリティのみが長距離秩序となる「カイラル秩序相」を密度行列繰り込み群(DMRG)等を用いた数値的解析により発見した。本研究の目的は、申請者達が発見したこの「カイラル秩序相」に関して、1)ハミルトニアンに含まれる相互作用空間での存在領域、2)発現機構、3)励起状態の性質、4)磁化過程等を明らかにする事によって、その物理的描像を確立することである。本年度は、カイラル秩序相の発現機構を明らかにするため、以下のことを行った。 1)2次元古典系(1次元量子系に対応)の競合系BEGモデルに対する有限温度におけるモンテカルロ計算、相関関数解析からModulated Phase(古典カイラル相に対応)の存在の確認、その結果の表面構造への応用。 2)行列積波動関数を用いた変分法による1次元S=1ハイゼンベルグ系のハルデン相に対する不純物スピン効果の解析。 3)1イオン性異方性があるS=1競合系イジング模型における磁化課程の解析より、長周期構造の出現範囲の確定。 これらの実績により、カイラル相は古典系描像に限りなく近いものであることが、判明しつつある。なお、当初の計画したKOBEPACKおよびDMRGを用いた数値解析は収束性が悪く、現在、そのアルゴリズムを改良中である。なお、改良中のDMRGプログラムは、この研究の成果として最終的にはパッケージ化して公開する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Makoto Kaburagi: "Phase Diagram of Adsorbate-Induced Missing Row Reconstructions on FCC(11O) Surfaces"Surface Science. 514. 356-361 (2002)
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[Publications] Makoto Kaburagi: "Effect of Temperature on Non-contact Atomic Force Microscopy Images"Applied Surface Science. 188. 335-340 (2002)
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[Publications] Toshiya Hikihara: "Ground-State Phase Diagram of Frustrated Anisotropic Quantum Spin Chains"Progress of Theoretical. Physics. Suppl.145. 58-63 (2002)
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[Publications] Takashi Tonegawa: "An S=1/2 ImpuritySpin in the Antiferro-magnets S=1 Bond-Alternating Chain"Progress of Theoretical. Physic. Suppl.145. 156-169 (2002)
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[Publications] Makoto Kaburagi: "Impurity Spin Effect on the Spin-1 Antiferromagnetic Heisenberg Chain"Journal of Physical Society of Japan. 72・Suppl.B(掲載予定). (2003)