2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540360
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
末崎 幸生 佐賀大学, 医学部, 教授 (80069484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹生 政資 佐賀大学, 医学部, 教授 (30207005)
梅田 民樹 神戸大学, 海事学部, 助教授 (90243336)
一ノ瀬 浩幸 佐賀大学, 医学部, 教務員 (10232406)
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Keywords | 脂質膜ベシクル / カップ状ベシクル / 曲げ弾性エネルギー / 数値解析 / 界面活性剤 / 間歇的形状変化 / 異常レオロジー |
Research Abstract |
本科学研究費補助金の授与を受けて、表題「脂質膜の形状相転移の理論的研究」の理論的研究に着手し、平成14-15年度とその研究を進めて進捗状況報告を行ってきた。本科学研究費補助金の最終年度においては、膜の数値解析を得意とする神戸大学梅田助教授との共同研究を軸として、カップ状脂質ベシクルの理論的解析が主たるテーマとなった。前回までの科学研究費補助金(平成10-13年度)によるカップ状脂質ベシクルの、吸着平衡による理論解析ではカップ状ベシクルを部分球とみなしたが、その後をうけて本テーマでは正確なカップ状ベシクルの形状の数値解析を梅田がチーフとなって遂行した。その結果、観測されているベシクル形状を再現する解析結果を得て、研究発表のページにあるようにPhys.Rev.E(2005)に発表した。この理論解析によって、観測結果を再現するのみならず、その形状がこれまで問題の多い膜のサドル曲げ弾性定数に関する重要な知見を与え、膜の融合や分裂に対する新たな見方を提供する可能性があることが分かった。 この研究結果は、代表者末崎が日本学術振興会の基金を得て主催した、国際研究集会「ソフトマター複合系の物理学国際ワークショップ」(東京、2004年11月)においても発表した。 梅田らはさらに界面活性剤と脂質膜系における、ベシクル形状が間歇的に変化する観測結果の理論解析を行い、その結果は研究発表のページにあるようにChem.Phys.Chem.に発表した。 末崎は脂質膜を含む多くの液体系のレオロジカルな性質が異常な振る舞いを示す現象(ストレスに対する変形速度がニュートン粘性から大きくずれる)について、理論的解析を試みた結果をやはり次ページに示すようにJournal of the Physical Society of Japanに発表した。
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Research Products
(4 results)