2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540375
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
冨田 誠 静岡大学, 理学部, 助教授 (70197929)
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Keywords | パルス伝播 / 群速度 / 異常分散 / 超光速度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、屈折率の虚部の効果を取り入れ、従来の群速度が破綻する領域において意味を持つ群速度の新しい定義の有効性を光学領域での実験的によって検証することである。平成14年度は、位相変調を受けたパルスの伝播について解析を進めた。通常の群速度では屈折率の"実部"のみを考えるが、共鳴吸収媒質中を伝播するパルスでは、Kromas-Kronigの関係によって必然的に存在する屈折率の虚部(吸収)の効果によってスペクトルがシフトする。チャーピングパルスでは、このスペクトルシフトに伴って大きなReshaping delayが現れ、superluminal(超光速度)な伝播は見かけ上チャーピングの性質に大きく依存する。インコレントパルスについては、従来、その伝播速度を議論する方法がなかった。本研究ではポインチィングベクトルの時間積分の重心でパルスの位置を定義することで、意味のある速度が議論できることを示した。インコレントパルスのReshaping delayは、1つ1つのパルスではランダムに現れるが、統計平均化されるとReshaping delayは消え、重心はNet delayで伝播する。 また、平成15年度以降に、新しく得られた知見を実験的に検証していくため、平成14年度科研費交付金によってマイケルソン干渉計とチタンサファイアレーザーを基にした実験システムの改良と整備を進めている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tetsu Ito, Makoto Tomit: "Polarization dependent laser action in a two-dimensional random medium"Physical Review E. 66. 27601-1-27601-4 (2002)
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[Publications] Toru Ito, Makoto Tomita: "Reshaping delay in chirped pulse propagation"International workshop on femtosecond technology. EST2002. 200-200 (2002)
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[Publications] Toru Ito, Tetsu Ito, Makoto: "Net and reshaping delays in chirped pulse propagation"Joint international conference on advanced science and technolog. JICAST2002. 483-486 (2002)
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[Publications] Tetsu Ito, Toru Ito, Makoto Tomita: "andom laser in a amplifying and scattering medium"Joint international conference on advanced science and technolog. JICAST2002. 256-259 (2002)
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[Publications] 大槻義彦編集: "先端物理学辞典(ISBN:462107046) (分担執筆)"丸善. (2002)