2004 Fiscal Year Annual Research Report
フェルミ粒子を含む原子気体のボース・アインシュタイン凝縮体のダイナミックス
Project/Area Number |
14540380
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
薮 博之 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60202371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 徹 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (20175409)
丸山 智幸 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (50318391)
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Keywords | ボース・アインシュタイン凝縮 / 原子気体 / フェルミ気体 / 集団運動 / 化学平衡 / 量子渦 / 密度波 / スピン密度波 |
Research Abstract |
本年度は研究計画に基づき、以下の研究を行い成果を発表した。 a)励起状態の乱雑位相近似による計算の擬1次元系への応用: 有限ボース・フェルミ凝縮体の励起状態を乱雑位相近により計算し、励起状態スペクトルの構造を微視的な立場から明らかにした。本年度は、この方法を擬1次元ボース・フェルミ凝縮系に応用し、系の安定性と密度波状態について理論的研究を行った。励起スペクトルを計算し、それがフェルミ波数の2倍の波数でソフト化し系が不安定化することを示し、混合凝縮体中のフェルミ原子の密度波状態が基底状態になることを示した。また、ボース・フェルミ間相互作用により、ボース凝縮体もフェルミ波数の2倍の波数で振動する定在波型の凝縮となる新しい現象が起こることをことを示した。有限系における密度波の効果についても議論した。これらの結果をまとめて論文として発表した。また、フェルミ原子が2成分存在する系への理論の拡張を行い、フェルミ原子密度波が同相(密度波)・逆相(スピン密度波)となる条件を求め、相構造を明らかにした。この結果を論文としてまとめ、現在投稿中である。 b)有限ボース・フェルミ凝縮体のシミュレーション: 前年度に開発した有限ボース・フェルミ凝縮体の時間発展を追いかける計算機プログラムにより、凝縮体の振動シミュレーションを行い、その結果を解析的に議論した。結果を国際会議で発表するとともに、結果を論文としてまとめ発表した。 c)上記研究課程において派生した研究: 有限ボース・フェルミ凝縮体の量子渦・ポジトロニウム凝縮体の研究を行い、国際会議で報告した。結果は、論文としてまとめ投稿予定である。
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Research Products
(6 results)