2003 Fiscal Year Annual Research Report
量子力学の非局所性の量子軌跡による分析と連続変数量子テレポーテーション
Project/Area Number |
14540382
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
外山 政文 京都産業大学, 工学部, 教授 (60180189)
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Keywords | 量子軌跡 / 点状相互作用 / Poschl-Tellar型ポテンシャル / 自己共役結合 / 透過・反射確率 / 量子テレポーテーション / 量子最適クローニング / 量子回路 |
Research Abstract |
1.量子最適クローニングおよび量子テレポーテーションの量子回路生成 量子回路生成問題には大きな複雑性がありその一般的手法が確立されていない。本研究では遺伝的アルゴリズムを用いて、コンピュータシミュレーションにより量子最適クローニングおよび量子テレポーテーションの量子回路生成問題を調べた。そして、これまでに発見されていない新しい量子回路を幾つか見いだし、それらの特徴について分析した。 2.非常に幅の狭い波束の透過・反射問題における特異な現象の量子軌跡を用いた分析 一次元量子力学における入射波のポテンシャル散乱は、通常入射波として平面波を仮定して議論される。波束の幅を無限に大きく採ることにより平面波による結果が得られることは良く知られているが、逆に波束の幅が非常に小さい場合については良く知られていない。本研究では、入射波として規格化された波束(ガウス波束)を用い、散乱ポテンシャルとしてPoschl-Tellar型ポテンシャルを例にとり、波束の幅が非常に小さい場合に生じる特異な状況について調べた。具体的には、たとえポテンシャルが存在しない場合でも、或いはポテンシャルがいわゆる無反射ポテンシャルであっても、反射確率がゼロにならないという状況が生じ、このような状況は波束の入射エネルギーが非常に小さい場合に顕著になることを明らかにした。そして、この問題をボーム軌道を用いて解析することにより、このような状況のメカニズムを直観的に把握できることを示した。 3.一次元量子力学系における一般化された点状相互作用におけるチャンネル結合相互作用の分析 一般化された点状相互作用は、非相対論的運動エネルギー演算子の可能な自己共役拡張を表す。本研究では、チャンネル結合が存在する場合に可能な点状相互作用について分析した。そして、チャンネル結合相互作用に時間反転不変性を要請することにより、7-パラメータをもつ自己共役拡張された相互作用ファミリーが存在することを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Nogami, F.M.Toyama, W.van Dijk: "The Dirac equation with a confining potential"American Journal of Physics. 71・9. 950-951 (2003)
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[Publications] F.M.Toyama, Y.Nogami: "Transmission and reflection of a wave packet with a small width in one-dimensional quantum mechanics"Canadian Journal of Physics. 81. 1205-1214 (2003)
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[Publications] F.A.B.Coutinho, Y.Nogami, F.M.Toyama: "Point interactions in one-dimensional quantum mechanics with coupled channels"Journal of Physics A : Mathematical and General. 37. 2989-2997 (2004)
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[Publications] 訳者:伊藤正美, 今井克暢, 今本宙造, 外山政文, 森田憲一: "量子コンピューティング(訳本)"森北出版. 491 (2003)
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[Publications] Editors : M.Ito, M.Toyama: "Developments in Language Theory (Lecture Notes in Computer Science)"Springer (Heidelberg). 427 (2003)